表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

116/196

第54話 【神々の選定、そして“創世の敵”の影】

見て頂きありがとうございます。作る励みになりますので、良かったらブックマークと評価よろしくお願いします。


  アルシェリア、創造の核心領域オリジン・フォールド


 レオルたちは“記憶の番人”アウレリアを目覚めさせた。


 その存在は、ただ強大なだけではない。

 世界の“記憶そのもの”を再編できるという、旧神すら畏れた力を宿していた。


 「ほら…選定が始まるよ」

 ファルが口を開いたのは、アウレリアの封印解除から少し経った朝だった。


 彼の拒絶式が、大気の揺らぎから“神性の波”を読み取っている。


 「一体……何を、選ぶっていうの?」

 ノアが記録紙を捲りながら問う。


 「決まってるさ、“次なる秩序”の主を、だよ」

 ファルの声音は、どこか張り詰めていた。


「旧神の敗北は、“空位”の誕生を意味する。

 その瞬間、かつて神々に仕えていた“中位存在”たちが目覚める」


「それが、“選定者セレクター”たちよ……」

 アウレリアがそっと呟いた。


 彼女は、すでに幾つかの“波”を感じ取っていた。


「彼らは旧神の継承を競い合う。“神位”を奪い合うために……この世界に現れる」


 「それって……」

 セラが言葉を飲む。


「また、戦いになるってことだよ」

 ルーナが低く言い放った。


 

 、、、そのとき。


 アルシェリア上空に、“三つの“神印”が現れた。


 それは雲を裂くような光の輪。

 まるで空が“意志”を持ったかのような神々しさ。


「来たわ……“神々の選定”が始まる」

 ノアが立ち上がる。


◇ ◇ ◇


 その日、アルシェリアの各地に、三名の使徒が現れる。

 一人は、白金の鎧を纏う戦女神ヴェルダイン


 もう一人は、無貌の仮面をつけた数式の使徒ラウメル


 そして最後に、異形の幼子の姿をした“死と再生”の化身、《エフ=ラーグ》。


 

 彼らは口々に言う。


『この世界に“意味の座”を設ける。

 創造の資格がある者よ、名乗りを上げよ』


『この世界の神々の座は空白だ。

 ならば、その権利を持つ者が、新たなる“神”となる』


 まるで、神になる“試験”が始まるかのようだった。


 「選定……?つまり、“レオルが神の代行者になれるか”試すってこと?」

 ディアボラが身構えながら言う。


「そうだね。でも、それだけじゃないよ」

 ファルが続けた。


 「この選定に、“創世の敵”も干渉してくる。

 旧神ですら存在を避けていた、“無名”の存在がね」


「“神ですら知らなかった敵”……?」

 レオルが呟く。


 アウレリアが歩み出る。


「記憶には、ほんの一行だけ、書かれていたわ。

 “名前なき破壊者”、、

 記録も観測も拒絶し、存在だけが痕跡を残す者」


 

 ノアがハッとする。

「記録にも拒絶にも反応しない……それ、観測不能な“喪失の核”……!」


「その存在が、この選定の場に現れたら?」

 ファルは、微かに震えていた。


「秩序は崩壊し、“創造”そのものが喪失する。

 選定とは、神を選ぶ儀式であると同時に、“敵”の侵入を許す契機にもなる」


 

 沈黙が落ちる。


「んー?……じゃあ、やるしかないってことか?」

 レオルが拳を握った。


 「この世界を、想いと意味で守る。

 そのために、俺は……この選定を受けて立つ!」


◇ ◇ ◇


 その夜。


 レオルは一人、星のない空を見上げていた。


 隣には、そっとアウレリアが座る。


 「あなたは、変わってるわね」


 「んっ?そうか?」


「創造者って、もっと冷たいものだと思ってた。

 記録を壊せる私を、怖がると思った。でも……」


 アウレリアは小さく笑った。


「あなたたちは、“私の過去”じゃなく、“これからの選択”を見てくれてる」


「あははっ!そういう奴らばかりさ。

 仲間って、そういうもんだろ!」


 アウレリアは、手を胸に当てる。


「この胸にある記憶は、もう“兵器”じゃない。

 今は……“想い出”として、ここにある」


「なら、それを守ろう。一緒に!」

 レオルが優しく言った。


「たとえ、神だろうと、敵だろうと。この世界は、

 “俺たち”の手で創る」


 、、選定の刻は迫る。


 新たな敵、選ばれる神、記憶と意味を巡る戦いが、再び始まろうとしていた。




            続

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ