第4話:黒騎士との激闘
そこに立っていたのは、一人の男。
全身を漆黒の強化装甲に包まれ、片手には異様な形のランスを持っている。
「……お前は?」
「《黒騎士》――王国軍直属の処刑人。」
「王国軍……さっきの奴らの仲間か!」
「貴様の力、確認させてもらった。なるほど、確かに強力だ。しかし……」
黒騎士は一歩前に出ると、異様なオーラを纏い始めた。
「それでも、俺の敵ではない。」
「くっ……!」
俺は右腕を展開し、ブレードを構える。
黒騎士は冷笑を浮かべ、ランスを構えた。
黒騎士――王国軍の処刑人。
彼は漆黒の強化装甲に身を包み、異様な形状のランスを構えて俺を見据えていた。その佇まいから滲み出る圧倒的な殺気に、戦慄が走る。
「機械神の使徒よ……貴様の力、試させてもらう。」
黒騎士が低く呟くや否や、その足元のブースターが炸裂。
「――速い!!」
まるで弾丸のように俺へと突進してくる。俺はすぐに反応し、ブレードで防ぐ。
――ガキィン!!!
ランスとブレードがぶつかり合い、衝撃波が荒野に吹き荒れた。
「ぐっ……!!」
黒騎士の力は想像以上に重く、俺の身体が押し飛ばされる。着地と同時にバックステップで距離を取るが、黒騎士の追撃が止まらない。
「甘いな!」
黒騎士は姿勢を低くし、ランスを振るいながら一気に間合いを詰める。その軌道は鋭く、しかも変則的。まるで格闘戦の達人が戦場で鍛え上げたかのような動きだった。
「くっ……!」
俺はギリギリでランスの斬撃を躱しながら、反撃の機会を窺う。
――だが、次の瞬間、黒騎士のランスの先端が赤く発光した。
「終わりだ。」
「シールド!」
――ズドォン!!!
衝撃波が発生し、俺のシールドの展開が追いつく前に吹き飛ばされる。
「ぐあっ……!」
身体が地面に叩きつけられ、鉄屑の山を転がる。背中から痛みが走るが、休む暇はない。
「チッ……やってくれるじゃねぇか!」
俺はすぐに体勢を立て直し、ブレードを再展開。
「なら、こっちも本気でいくぞ!」
ブースターを最大出力にし、一気に距離を詰める。
黒騎士が迎撃のためにランスを振るう。
だが――俺は寸前で姿勢を低くし、その一撃を紙一重で回避。
「高周波モード!!」
俺は高周波ブレードを、黒騎士の脇腹へと突き立てる。
――ズバァッ!!!
ブレードが装甲を切り裂き、火花が散る。
「ぐっ……!」
黒騎士が苦悶の声を漏らし、一瞬動きが鈍る。
「……やるな。」
だが、次の瞬間、黒騎士は驚異的な反応速度で俺の腕を掴み、思い切り投げ飛ばした。
「なっ……!?」
俺の身体が宙を舞い、地面に叩きつけられる。
「クソッ……!」
すぐに立ち上がるが、黒騎士はすでに追撃の態勢に入っていた。
「終幕だ、機械神の使徒。」
ランスの先端が再び光を帯び、強力なエネルギーが収束する。
「この一撃で貴様を消し去る!」
――ドゴォン!!!
地面が抉れ、爆風が荒野を吹き飛ばした。
俺はギリギリで回避し、空中で体勢を立て直す。
「なら、こっちも――最大火力だ!」
俺は右腕をエネルギーキャノンに変形させ、全エネルギーをチャージ。
「喰らえぇぇぇ!!」
――ズドォォォン!!!
超高圧エネルギー弾が黒騎士へと放たれる。
黒騎士は迎撃しようとランスを構えるが、避けきれず直撃。
「ぐっ……!」
漆黒の装甲が砕け、黒騎士の身体が吹き飛ぶ。
砂埃が収まると、膝をついた黒騎士が荒い息で話した。
「……見事だ。」
「まだ、やるか?」
俺がブレードを構えると、黒騎士はわずかに笑った。
「……いや、ここまでだ。」
そう呟くと、彼は自爆装置を起動、爆風が広がった。
ドゴーーーン!
俺は、ブースターを吹かして回避した。
気分が悪くなる。だが俺は、先に行くしかない。機械神の遺跡――そこに、この力の答えがある。
俺は拳を握りしめ、再び歩き出した。