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宇宙の果てで謎の種を拾いました  作者: くずもち


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突発的に生まれる謎の生物

「相談があるんだけど……なんか動物がおかしいんだ」


「何だって?」


 白熊さんが相談してきた時点で、僕は真顔になった。


「白熊さん……このコロニーの動物はそもそもおかしいんだけれど、それを踏まえて、なおおかしい?」


「おかしいね。というか……大前提を外してるかな?」


「大前提って何だろう?」


「どう見ても食べられそうにないんだよね……」


「大前提?」


「大前提じゃないかな? 重大なことだと思う」


 まぁ最初からして肉キメラな時点でこのコロニーの生物が重要な食料なのは間違いないんだけれど、案外僕の視点から言うと食べられそうにないモンスターは多い。


 というよりも僕を食べそうなモンスターが多い。


「……とにかく一度見てみようか?」


「頼むよ」


 こう……どう食べられないのかちょっとだけ楽しみにしながら、僕は新種の目撃ポイントに向かうことになった。




 で実際見てみたわけだけれど、僕は力強く頷いた。


「なるほど……アレは食べられない」


「だろう?」


 思わず納得と言う感じのそいつは、岩山の上を我が物顔で歩いていた。


 ただ、ズシンズシンと歩く足音はとても重そうである。


 しかし実際重いのは見ればわかった。


 しなやかそうな体はどう見ても金属製だったからだ。


 ロボットの様だがどこか動きは生物的な印象がある不思議な生命体である。


「虎っぽいかな?」


「ものすごくメタリックでなければね」


「まさしくそうだ……アレは、どういうものなんだろう?」


 動物が金属化する現象というと……僕にはうっすらと心当たりはあるが、核心だけがない。


 しかしこういう時に答えは必ず彼が持っていた。


「シュウマツさん……これはどういう現象なんだろう?」


 するとどこからともなく現れた光体のシュウマツさんは若干言葉を濁して答えた。


「うーむ……たぶん。ルリが目覚めた影響だろうなぁ」


「目覚めたって?」


 知らなかったらしい白熊さんに、僕はあの謎の現象を端的に説明してみた。


「この間、フーさんが行方不明になって。帰ってきたら精霊と合体してた」


「行方不明! その上精霊と合体!? どういうことなの!?」


「なんか……アウターが青い鳥仕様になってた。つまり新機体かな?」


「新機体……」


 戻って来たフーさんのアーネラのバージョン空の精霊とも言うべき姿はかなり印象的で、ワープを自力で使いこなす機能までついたでたらめな性能をしていたわけだ。


 いいたいことがあるとすれば、変形合体ではなく憑依合体じゃないかといったところか。


 合体前が合体後の形状にあまり関係ないのは、やや不満が残る。


 せっかくロボットボディに変化したのだから、そこはドッキングしてほしいと思うけれど“精霊”相手にそれを言ったところでなにも意味がない話である。


 普通生物は光ってメカに変身しないので。


 僕には理解の外だったが、精霊のこの変化をシュウマツさんはある程度予想出来ていたようだった。


「意識の段階が一つ上に進んで、こうなりたいと願ったんだよ。ルリは星の海を飛ぶ自由な翼を願った。それで参考にしたのが、君達のアウターなんだろうね」


「それで何で野生動物までメカになるのさ?」


「それは……影響を受けるさ。ここの野生動物の管理をしているのは精霊達だから。こう……言ってしまえば趣味が反映されることはある」


「「趣味?」」


「そう、趣味。……うん、趣味でいいだろう。こういう感じにしたいと強く思うと、そうデザインされるのだね。まぁここまで趣味性にあふれると、大量発生ということはないと思うんだが……」


「全体のバランスを大きく崩さないようにはするけど、それはそれとしてカッコイイ生き物が生まれることはあるってこと?」


「そうなるね」


 マジかよという顔を白熊さんはしていたが、本当に精霊と言うやつは不思議な生き物だった。


「趣味ねぇ……こうも露骨に出るものなんだなぁ」


「……」


 ただみんな悩んでいたが、僕は少しばかり思い当たる出来事があった。


「きっかけは……アレかぁ?」


「アレって?」


「いや、何日か前に家の庭で精霊達が集会してて。ルリにメタル化を自慢されていたなと」


 思い返すと精霊達はみんな結構むきになっていた気がする。


 変化の起爆剤になったことは無関係ではなさそうだった。


「それだよ」


「それだろうね。ふむ……同じ精霊をうらやむとは、彼らの精神性は思ったより早く成長しているようだ」


 なるほどなーとシュウマツさんが感心していて喜んでいるあたり、いいことなんだろう。


 僕も精霊達が生まれた時から知っている身としては、ちょっと感慨深かった。


「そうだね……。思えばずいぶん成長したもんね」


「そうだなぁ」


「いや、そんなこと言ってる場合じゃないよ」


 僕とシュウマツさんが和んでいると、白熊さんは待ったをかける。


「と言うと?」


 何か問題あるのかなっと聞き返すと、白熊さんはうんと思ったより力強く頷いて、自分の欠けた剣を僕らに見せた。


「多分あのメタル化生物が増えるとマズイ。文字通り他の動物じゃ歯が立たない」


「歯が立たないだろうね」


「歯が立たないだろうなぁ」


 あの生命体がどれくらいの戦闘能力を持っているかは未知数だが、少なくとも食べることは無理だろう。


 そういえば、あの会話を思い出せばたぶん陸でも海でも同様の変化は起こっているかもしれない。


 あの食べるには硬そうな生き物ばっかりになったらマズイ……。


 それはもうとてもマズイことになりそうだった。


 しかしだからって、どうしたものかと悩んでいると、今度はどこからともなくプロペラの付いたドローンがやってきて、音声のみで会話に割り込んできた。


「面白いお話をされているようですね。……メカと言えば、このワタクシを置いて、適任はいないのではないでしょうか?」


「最近登場の仕方がシュウマツさんじみて来たよね。オペ子さん」


「そんなワタクシにしたのは貴方ですよ? 責任を自覚してください」


 いやそんなこと言われても。


 僕は訝しんだ。


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― 新着の感想 ―
[一言] 惑星ゾイ〇じゃん、ムネアツ。  ※但し食物が無くなるものとする。
[一言] メカ生体バンザイ!
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