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詩のようなもの

もう少しだけ あと少しだけ

作者: 櫻月そら

武 頼庵(藤谷 K介)様 主催【恋の詩企画】に参加しています。


わたし お料理できないよ


それでもいいよ


わたし お洗濯もできないよ


それでもいいよ


わたし お掃除も苦手だよ


それでもいいよ


そこまで言ってくれるなら……


わたしは彼の籍に入った



彼は家事が得意だった


実は わたしも得意なの


でもね


家政婦みたいな 結婚はイヤ


だから 彼を試したの


すぐに打ち明けるつもりだった


彼の驚く顔が 見たかったから


でもね


あれから3年も経ってしまった


彼の作るご飯が おいしかったから



でもね


そろそろ言ってみようかな


彼の驚く顔が 見たいから


最近の彼は


なぜか ご機嫌で帰ってくるの


どうしてだろう



でもね


伝えないといけない気がする


本当のことを


彼は驚いてくれるかな



ただいまと 帰った彼に披露した


できたてのお料理と


片付いたお部屋に


きちんと洗って畳んだシャツ


彼はすごく驚いてくれた



でもね


どうしてもっと早く……


そう言った彼は 涙を流して崩れ落ちた


どうして泣くの?


あなたのシャツから香る 


甘い匂いも取れたのに

お読みくださり、ありがとうございました。


『あと1センチ あと1ミリ』と対になる作品です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 気になって、対となるこちらも拝読させていただきました。 奥さまサイドの詩なんですね。 こちらもまたラストでおお〜っとなりました。 奥さまが猫の匂いを消そうと必死にワイシャツなど洗う姿を想像…
[良い点] 咲月そら様 初めまして 「恋の詩企画」から作品を拝読させて頂きました 何気ない関係性をモノローグが淡々と過去から現在へ駆けて、嘆かわしい最後がとても大好きです 私の琴線を激しく掻き鳴ら…
[良い点] こちらから先に拝読し、あとで対になる詩を拝読しました。 これは……お互いのすれ違いが起こした悲劇ですね。 甘い匂いの取れたシャツ、彼はこのあとどういった行動に出るのか、想像を掻き立てられま…
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