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そうなりますよね

「へえ、急に王城のミレイア専用の部屋を拡張して欲しいっていうから、何事かと思ったけど、なるほどねえ」


 ワーグナー様にお話をしに行きますと、すぐに執務室に通していただき、お茶を準備され、ソファーに並んで座っております。

 追加で三体の幻獣と、ぴぃちゃんと同じ内容の契約を結んだことを伝えましたら、流石に驚いているようです。

 小声で、「皇帝より強い皇妃、悪くない」とか聞こえましたが、気のせいですわよね。

 お茶を頂いておりますと、ワーグナー様がわたくしの膝の上に手を置きました。


「念のため聞いておきたいんだけど、初夜を邪魔してくることはないよね?」

「……ないと思いますわ」

「そっか、よかった。初めてって、どうしたってミレイアを傷つけちゃうでしょ? 契約っていうのが発動したらどうしようかと思っちゃったよ」


 何の心配をなさっているのでしょうねっ。

 今から初夜の話をするなんて、気が早すぎます。


「そういえば、マリナ様に、マロン様がお亡くなりになったことを伝えなくてよろしいのでしょうか?」

「いいんじゃないかな。気にしてる素振りはないんだろう?」

「ええ、使用人としてつけている魔導士の話では、ワーグナー様がいつ迎えに来るのか、とか、街で貴族の子息とか王子との出会いがないかとかと、そのようなことを言っているそうです」

「懲りないね」

「そうですわねえ」


 お渡ししているお金を、湯水のように使っていると聞きますが、確かに、平民として暮らす分には一生遊んで暮らせる金額ですが、貴族として暮らす分には、足りなくなると思うのですよね。

 本当に、何かしらの功績を上げて、国から報奨金などを貰わない限り、報告を受けているようにドレスや宝石を買いあさっていたら、お金が無くなってしまうと思うのですが……。


「ティーム殿は、ポリアンヌ殿の後宮で、早くも立ち位置を確保したようだよ」

「流石はティーム兄様ですわね」

「愚かな父親と弟がいなければ、もっとやりようがあっただろうね」

「仕方がありませんわ。もうどうしようもない事ですもの」


 思わずため息を吐き出してしまいます。

 もし、マロン様がまともでいらっしゃったら、わたくしとの婚約は今でも続いていたかもしれませんね。

 そもそも、亡くなった前国王がまともであれば、わたくしはマロン様の婚約者ではなかったかもしれません。

 全てはもしかしたら、ですので、考えるだけ無駄なのですけれども、ふとした瞬間に考えてしまうのですよね。

 ルゥちゃんから、全ては世界樹の枝の一つでしかないと言われたことも、原因の一つかもしれません。


「マリナ様は、幸せになれるのでしょうか? もしこのまま本当にワーグナー様の側妃になることを望むのでしたら」

「ミレイア、僕はミレイア以外を娶る気は全くないよ。マリナ嬢が何を言おうとも、それは変わらない」

「そうですか」


 その言葉に、どこか安心してしまうわたくしがいます。

 もし、ワーグナー様が側妃を娶ることになってしまったら、きっとわたくしは心穏やかでは居ることが出来ませんわね。

 マリナ様は身分やお金があって、容姿がよい方がお好きなようですので、どなたかとお見合いをセッティングするのもいいかもしれません。

 けれど、マロン様とワーグナー様は全くタイプが違うのですよね。

 とりあえず、容姿の良い方を片っ端から試してみるとか?

 でも、多くの方は婚約者がいらっしゃいますし、マリナ様と釣り合いが取れる年齢で婚約者がいないとなると、難しいかもしれません。


「マリナ様に関しては、色々がんばってみますわ」

「ミレイアが頑張る必要なんてないと思うけどね」

「けれども、こちらの身勝手で召喚してしまった事に変わりはありませんもの。『渡り人』は丁重に扱わなくてはいけませんわ」

「罪を許してあげているだけ、十分に丁重だと思うよ」


 確かに、マリナ様がきっかけで国が崩壊したという意見もありますので、国外追放で留めている時点で甘いかもしれませんが、マリナ様もある意味被害者ですものね。


「それにしても、こっちの世界はある意味平穏だけど、幻獣界って結構大変な事が起きているんだね」

「そうですわね。こちらに影響が出ないといいのですが」

「うーん、御伽噺では幻獣界とは隔離されているっていう話だけど、ぴぃちゃん達は実際にこうしてこっちに来ているわけだし、まったく影響がないっていうのは難しいかも?」


 幻獣界で一体何が起きているのでしょうねえ。

 一斉に若い世代の方々が、反乱? を起こしたとなると、きっかけとなることがあると考えるのが一番なのですが、こちらに居るわたくしにはわかりかねますし、ぴぃちゃん達もわからないと言っていましたものね。


「それにしても、実際に不死鳥であるぴぃちゃんを見ているから、幻獣界が御伽噺じゃないってわかったけど、流石に増えるとは思わなかったよ」

「わたくしも思いませんでしたわ」

「でも、幻獣を四体も従えるなんて、ミレイアはやっぱりすごいね♡」

「これ以上増えないといいのですが」

「僕のお嫁さんが強いのは頼もしいけど、あんまり無理はしないでね? 僕だって頼りになりたいから」

「ありがとうございます、ワーグナー様。では一つお願いしたいのですが」

「なにかな?」

「わたくしの所の使用人から、情報を流させるのをやめていただけませんか?」

「ん~、それは無理かな」


 そうですわよね、知っていましたわ!

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