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芸能人に餌付けされて、いつのまにか友達になってた  作者: オリハルコン陸


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7/11

遭遇10回目くらい。〜ゲームのお誘い〜 後編


「ひらりん下手くそすぎません?」


「うるせぇ!もう一回だ!」


ひらりんは、弱かった。


「うーん、これ番組でやるんですよね。ひらりん弄られ役担当です?」


「んなわけあるか!」


「でもこれじゃ不可避ですよ」


「ぐっ…頑張ればなんとか…」


「その根性論から離れましょうよ」


世の中根性でどうにかなることとならないことがある。


「ていうかなんでおまえそんな強いの?」


「強くはないです。普通です。ちょっと兄がこういうの好きだったのでよく一緒に遊んでたんですよ」


「いいなぁ、兄貴かぁ」


ひらりんは羨ましがるように、ため息をついた。


「ひらりん一人っ子です?」


「いや、弟がいる」


そっか、弟いるんだ。


「なんだ。ひらりんが構ってあげる側じゃないですか。ダメな兄ですね」


「だ、ダメってなんだ」


「どうせあんまり構ってあげなかったんでしょ。兄なのに」


勘だけど。


「いや、だって仕事忙しかったし…」


やっぱりか。


「そんなの言い訳になりませんよ。忙しい中でも構うから懐くんです」


「くぅっ」


「そんなので兄が羨ましいとか。うちの兄はあげませんからね」


「いや、おまえの兄が欲しいとは言ってねぇよ」


…なんだと?


「ふふん。私の兄は私の倍はゲーム強いですよ」


「…今ちょっと欲しいって思った」


「そうでしょう、そうでしょう」


その返事に満足して頷く。

うちの兄が要らないなんて許さない。欲しがってもあげないけど。


「まあ、それはともかく。ひらりん特訓しましょっか」


「特訓?」


「はい。そもそもひらりん必殺技覚えてなくないです?」


「え?そんなの適当に押してればたまに勝手に出るだろ?」


「………………ひらりん、正座」


「え゛…なんで?」


「いいから正座」


床を指指すと「わかったよ」と渋々正座するひらりん。

素直でよろしい。


「ゲームに三つ指ついて謝りなさい」


「マジでなんで!?」


なんで驚いてるんですか。


「このゲームの開発者とファンの皆さんを冒涜したからです」


「ええ…」


「真剣にこのゲームを作った開発者の皆さんと真剣にこのゲームを楽しんでいるプレーヤーの皆さんに、適当に押したボタンで勝てると思ったその性根から叩き直します」


「いや、そういうのは俺ちょっと…」


なぜか逃げ腰になるひらりん。


「なので手始めに謝罪から始めましょう」


「えっと、そういうのは本当…」


でも逃がしません。


「さあ!」


「ねえ、聞いてる?」


「謝罪の言葉が聞こえませんねー!」


ちょっと声を張ってみた。


「くそっ!わかったよ」


やっとわかってくれたようで、ひらりんは床に指をついた。そしてゆっくりと頭を下げる。


「申し訳ありませんでした」


「ふむ、まあいいでしょう」


「おまえ今どの立場で物言ってんの?」


頭を上げたひらりんは不服気ですが気にしません。


「さて、じゃあまずは基本の必殺技を覚えましょう」


「いや、なんでおまえがそれ知ってんの?このゲーム初見て言ってなかった?」


「そんなの組み合わせには限りがあるから、触ってれば単純なのはわかるじゃないですか」


それで、出たやつを覚えてけばいいんです。


「なんかそもそもの考え方違う」


「…これとこれでアッパー系のが出ます。でこれとこれとこれでーーー」


といくつかやって見せたけど


「待て待て待て。覚えられん」


えー。


「…しょうがないですねー。じゃあ一個ずつ叩き込みますか」


「え…?」


もうこれは何度も繰り返して体に覚え込ませた方が早そうですね。


「じゃあまずは波動拳だけで相手を倒すところから」


「いやいやいや、無理だろ?」


何でやる前から無理とか言ってんでしょうね。


「え?簡単ですよ?ほら」


CPU相手に1試合してみせる。


K・O!


サクッと一人倒して、「ね?」とひらりんを見ると


「えー………。いやいやいやいやいやいや」


めちゃくちゃ首を横に振っていた。


「はい、ひらりんどうぞ」


今度はひらりんの番ですよー。


「いや無ーーー」


「…ひらりん?」


尚も往生際悪く逃げ腰なので、低い声を出してみたらやっと大人しくコントローラを握った。よろしい。




ちゃんと言われた通りに一つの技だけで倒そうとして、手も足も出ずに何度もCPUにボコボコにやられているひらりんを見ていると、かつて同じように兄にしごかれて泣きながらコントローラを握ってた自分を思い出す。

懐かしさに口元が緩んだ。



「一通り覚えたら次はコンボやりますよー」


一声かけたら、ひらりんが涙目になった気がした。嬉し涙かなー。



帰り際、またゲームに付き合ってほしいと言うので連絡用にレインを交換した。



ちなみに、ひらりんがとってくれた高級店のピザは絶品だった。

やっぱりゲームにはピザだよね。


この話は、必殺技を一つも出せずに挫折して以来、格ゲーを一切触っていない作者が想像とグー○ル先生と○ーチューブの力で書きました。

おかしなところがあったらすみませんm(_ _)m

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