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37)孤児たちの自己紹介

皆さま大変ご無沙汰をしております。

先日、PCのフォルダーに未投稿なまま放置していたお話を発見しまして……今日と明日と明後日の3日間で、発見文章二話&付け足し一話分を思い切りよく連投しちゃいます( ー`дー´)キリッ☆

お久しぶりすぎて、ちゃんと書けているか辻褄が合っているか不安ですが……お付き合いいただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします(_ _)♪




 大人たちに続いて、孤児たちも自己紹介することになった。


「うーん、小さい子たちから名前と年齢を教えてもらえるかな?」


オルンさんに(うなが)されて、年少組から発言してゆく。


「わたしはマリー。五さいよ」


「モナ。六さい」


女の子二人は、レナたち女子三人と一緒に西の娼館リーベリルの家に行く予定だった。


「えっと、ロムです。年は六さいです」


「ライズといいます。ロムと同じで六さいです」


「五さい。ジーグだ」


男の子三人は、ジョングリズリー会館王都本店に。


逃げ回っていなければ俺も一緒だったんだけど、迎えに来た奴隷商の従業員は深追いせずにアッサリと諦めてくれたので、この三人だけが王都へ行くことになったのだ。




 次は、ソックリ顔四人兄弟の番だ。


「俺たちは四人兄弟で、俺が長男のダング十歳だ」


「次男ベルム……八歳です」


「ティム。六歳」


「ぅえっ、レィム。六歳だよ」


こいつらはつい最近まで街の親元で育っていて、学校とやらにも行っていたらしい。


だが、流行病で両親を亡くして孤児院に引き取られてきたのだ。


兄弟で励まし合い気丈に振る舞ってはいるが、四人ともが未だに悲しみの最中(さなか)に居ることだろう。


それなりに読み書きができるということで、若先生が兄弟まとめて商都の奴隷商であるジェミルの館に行かせることにしたのだろう。





 それから女子三人組。


「私はレナ。春生まれの十歳よ」


勝ち気なリーダー格がすまし顔で名乗る。


ほんの数ヶ月だけだが、こいつは女子の中で一番年上なので姉御肌なのだ。


「……あの、アーシャといいます。レナと同じ十歳です」


遠慮がちに小さな声が続く。


アーシャはちゃんと自分の考えを持っていて意見を言うこともあるけれど、何事も控えめな性格であまり目立ちたくはないらしい。


「イルマ。私は夏生まれかな、十歳だわ……たぶん、だけど」


早口でお調子者が言った。


彼女は俺と同じで物心がつく前から孤児院に居た。


孤児の誕生日や年齢なんて適当だからね。


赤ん坊だったら、孤児院に来た日が誕生日だということになっていたりする。


親がはっきりしないような古株孤児ほど自信がないんだよ。


まぁ、ちょっとくらい違っていても問題ないさ。




 続いて悪ガキ仲間の舎弟たち。


「グノーといいます。年は九歳」


イタズラの作戦参謀はひょろっとした丸刈り頭だ。


「ダガスって呼ばれてます。同じく九歳です」


すばしっこい行動派で小柄な黒髪。


俺とコイツはよく間違えられた。


「……かっ、カベルです。九歳です」


大きな体でおっとり無口。


見た目だけだと年齢よりも大人に見えるかも知れないな。


気は優しくて力持ちで、誰よりも我慢強い奴だ。


同い年三人組のこいつらは、何時もつるんでいてイタズラを繰り返していた。


時々っていうか、しょっちゅう俺もまぜてもらって村中を走り回っていたんだよ。


森の入り口から村の隅々まで、知らないところはなかったんじゃないだろうか。


この三人は、比較的体力があるために南の開拓地にあるジョングリズリーの南方支店へ行く予定だった。






 で、最後は俺だ。


「クロウ。十歳」


のらりくらりと王都の奴隷商から逃げ(おお)せたチャッカリ者。


この中で唯一行き先が決まっていて気楽な立場なのは内緒である。


ここに到着する前にオルンさんと話し合ってそう決めたのだ。


こんな時に、自分だけ家族のもとに行くなんて言えるわけがない。


しかも、ホントは貴族の子どもだったなんて。


そんなことが知れたなら、また何を言われるかわかったもんじゃないからね。


だって、皆が心に傷を抱えた孤児なのだ。


こんな困難に遭ったあとならば、尚更ひとりだけ()()けして幸せをつかむような話はしないほうが良さそうだった。


皆には申し訳ないが、クロウとしての俺は薬師のオルンさんに弟子入りするということで納得してもらうことになるだろう。







 ヒネたり()ねたりしていても、孤児仲間は皆で助け合える良い奴ばかりだ。


本当のことを話したらきっと祝福してくれるだろうし大丈夫だとは思うけど。


貴族の一員に組み込まれてしまえば、しばらく会えなくなるのは間違いないらしいから。


だから……俺はこのまま、孤児のままでそっと皆の前から姿を(くら)ませることにしたのだ。






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