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2)意地っ張りで残り物な雛鳥

大変お久しぶりでございます(^^ゞ

中々書き進めることが出来ずに、すっかりご無沙汰をしてしまいました。

未だ一章を書き上げられずに苦戦中ですが、無謀にも思い切って投稿してみることに……今回は深夜テンションで投入しちゃいます( ー`дー´)キリッ☆

三十話くらいまでは連投予定で、そのあとは間隔を開けながらヒョロヒョロと続きを書いて行きたいと考えております。

お気軽にのんびりお付き合いいただけると嬉しいです。

相変わらずのノロノロ展開でございますが、どうぞよろしくお願いいたします(_ _)♪

 幼かった俺がどんなに頑張ってみたところで、所詮は子どもの悪あがき。


孤児院は常に貧乏だった。


高齢だった院長先生は、真冬にひいた風邪を長引かせ────春になる頃にはすっかり弱りきっていた。


薬が買えたら……いや、せめて栄養のある温かい食事で体力をつけてもらえていたなら、もっと長生きしていただろうと思うのに。


育ての親だった親愛なる老女史先生は、風の強い嵐の夜に静かに息を引き取った。


「……なにも心配はいらないわ。私に何かあったら、皆は……他の町や村の孤児院に、引き受けていただける……ことになっているの。……どうか、しあわせに……幸せになってね……」


最後の最後まで、子どもたちのことばかり。


強くて優しいひとだった。





 院長先生の言ったとおりに子どもたちは各地の孤児院へ。


彼女はすべてを若先生に(ゆだ)ねていたらしい。


若先生はあらゆる伝手(つて)を頼って子どもたちの引取先を手配した。


伝手といっても知れたもので、ほとんどが村長の口利きで決まっていったようだった。




 何はともあれ、若先生の手配どおりに孤児院の子どもたちは遠い街や村へと引き取られてゆく。


全員が同じ場所というのは難しかったらしく、迎えが来るたびに数人ずつバラバラに各地へと旅立っていった。


可愛げのなかった俺は何だかんだと最後まで居座り続け、とうとう最後の一人になってしまっていた。


引き取り手がなかったら、土地を離れて独りで生きていこうと思っていた。


流れで農作業を手伝いながら旅から旅へ、その日暮らしでもかまわなかった。


使い潰しの労働力として奴隷や家畜並みの扱いなのかもしれないが、院長先生を助けてくれなかった村の政治家や大人たちを頼る気にはなれなかったのだ。





 あらかたの家財道具を売り飛ばし、ボロ屋に残るはただ二人。


「クロウ、もう観念してここを出て行きなさい。王都近くの孤児院に空きがあるから、この紹介状を持っていけば貴方の面倒を見てくれるわ」


若先生は、ヨレヨレになった封筒を押し付けてきた。


彼女は自力で孤児院の運営を続けることを諦めて、村長たちに孤児院の跡地を売ることに決めていた。


その金を持って、明日にでも遠縁の親戚を頼ってゆくという。


村長は、見晴らしの良い孤児院の跡地に屋敷を新築して移り住むらしいのだ。


孤児院の土地を格安で売ることの見返りに、孤児たちを各地の孤児院へと斡旋(あっせん)してくれたということだった。





 なんども押し付けられては突き返していたので、紹介状の封筒はすっかりヨレヨレになっていた。


「貴方がどんなに意地を張っても、この孤児院はなくなるの。私も明日の朝には旅立つわ。紹介状はここにおいておくから、ちゃんと持ってゆくのよ? いい加減に大人になりなさいな」


「……」


このとき俺は子どもだった。


聞き分けのないという意味でも。


大人になれと若先生は言った。


保護が必要な子どもだからと孤児院を斡旋するというのに、そこへ行くのに大人になれと。


心のなかで屁理屈をこねながら無言を通すのも、やはり子どもっぽい行為なのだろう。


彼女は言いたいことだけ言い置いて、ため息交じりに出ていった。





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