〈挿話ー①〉ある服飾店オーナーのひとりごと
めちゃめちゃご無沙汰いたしております(T_T)
皆さまおかわりございませんでしょうか?
作者は何とかかんとか元気に日々を生きておりまする。
2月辺りから連載を再開したいと考えておりましたが、執筆が思うように進まずに3月も半ば過ぎとなってしまい、大変申し訳無いです。
ちょっと思いついちゃったお話やなんやかんやで未だにマゴマゴとまごついております。
こちらの再開を目指しつつも、あと一二ヶ月ほど期間が開いてしまうことをお詫びいたします(_ _)
どうかオイラを忘れないでねっていうことで、千文字ほどの挿話を投稿しちゃいます。
ちょっとした短いお話ですが、どうぞよろしくお願いします(>ω<)♪
商いの都……港を中心に王国の各地へと主要経路が伸びる経済の中心地。
人々が商都と呼ぶこの地で服飾の仕事を始めて数十年。
仕立て屋として、そこそこ名の通る職人になることができたと自負している。
飾り気のない小さな店だが、自分にとってここが創業の地で本店なのである。
フーレ服飾店……今では各地に支店を展開しており大商会に成長したが、そちらは後継者たちに任せてきっぱりと引退宣言をしている老店主だった。
「しかし、わたしもまだまだじゃのぅ。きっちり採寸を済ませたあとまでも……てっきり女の子かと思っておったわい。大概は採寸しているうちに判断がつくし、今まで間違えたことなど一度もなかったというのに……少しばかり自信をなくすのぅ」
日中にやって来た得意客。
その客人が連れてきた、小さな未来の紳士を思い出す。
小柄というより痩せた身体。
場違いなところに連れてこられたとでもいうように落ち着かない様子でソワソワしていた。
庶民の子どもであっても、もっと肉付きが良いだろうにと思ったが……客人の薬師が気まぐれに貧民の面倒でも見る気になったのだろうかと考えた。
ふだんの彼はそんな酔狂なことをするような人物ではないから、きっとなにか事情があるのだろうとも。
老店主は自身の余計な詮索は口にせず、小さなお客さまの注文を引き受けることに決めた。
貧相で儚げな見た目に反して姿勢も良く、凛とした雰囲気をまとうその人物が、ただの子どもではないのだろうと察せられたからである。
なにせ商品の届け先が大陸きっての大店で、そのうえ王国の王都支店だ。
単なる余所行きの外出着でなく急ぎ礼服が必要だということからも、只事ではない様子がうかがえる。
王都には、うちでも支店を構えているし……最優先で仕上げれば半月ほどで出来上がるだろう。
あの小さなお客さまをどのように着飾らせようかと、老店主は心を浮き立たせサラサラとデザイン画を描いてゆくのだった。
薬師の彼に普段着用の既製服を扱う店を紹介したが…………後日の同業商会の寄り合いで、件の小さな彼が話題の中心となっていて驚いた。
「あの見た目で、どうして男の子なのよ〜っ」
「絶対に、フワフワのレース飾りとサテンのリボンが似合うはずなのにぃ〜〜」
「私なんて、ちょっとだけでいいからドレスの試着だけでもって勧めたけれど、めちゃくちゃ引かれてスッパリお断りされちゃったのっ。チラッとあの子の女装姿を見てみたかったのにっ……」
主に女性店主が中心だったが、心からの叫びを憚りなく吐露していたのだ。
あれが女子の本音トークというものなのかと……めちゃくちゃ引きつって速攻で逃げ帰りたくなった老店主であった。




