トイレットの襟のレビュー・感想・評価 2016/02/07 01:12
トイレット(2010年製作の映画)
☆3.8
全編字幕付き、カナダで撮影された、日本人がひとりしか出てこない〝邦画〟。問題山積みのアメリカ人三兄弟と日本人の「ばーちゃん」がときに離れときに寄り添う毎日を描いたストーリー。
「ばーちゃん」は兄弟たちとほとんど会話しない。それでも、3人と「ばーちゃん」は段々と心を通わせ、本当の自分ってなんだ?家族のあり方ってなんだ?といったことを考え直していく。これは作品の中だけじゃなくて、多くの人がふとしたときに考える疑問だと思う。「本当に私がしたいことってなんだっけ、今の生き方で良かったんだっけ」。大抵の人には、その答をくれる人がいない。だって自分のことは自分にしかわからないのだから。
ただ、それでも、そんな自分を見守って、想って、愛してくれる人は世界のどこかに絶対にいる。不器用で未熟で駄目な自分も、「クール!」と認めてくれる誰かがいる。この映画はそんな当たり前のようで実は凄いことを改めて感じさせてくれる。
ストーリーは淡々としてて平凡ではあるけれど、すごく安心できて落ち着けて、実家に帰りたくなるような作品。まさにおばあちゃんの家に行ったときのような気持ちになれるはず。