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パンズ・ラビリンスの襟のレビュー・感想・評価 2016/02/07 01:10
パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
☆3.8
私が色んな映画を観るきっかけになった作品。
私の映画生活の源流にはこの作品がある、と思う。
ファンタジー映画なんかではなく極めて芸術的な戦争映画。人々は誰も彼も心と身体に傷を負い、人生とこの国の行く末を悲観している。主人公オフェリアもそのひとりで、苦しい日々の中、幻想の神に与えられた試練を乗り越えることで幸せを掴もうともがいている。その姿は痛々しいほどに懸命でせつない。
オフェリアの望んだ世界とはいったい何だったのか、またこれがその世界なのか、それは誰にもわからないこと。ただ、ここではないどこかで幸せを希求したオフェリアが、試練を乗り越えた末に安らぎを得ることができたことに間違いはない、気がする。