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【完結】スケルトンでも愛してほしい!  作者: コル
2章 二人の吉夢と悪夢
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ケビンの書~吉夢・3~

「――さん」


 …………?


「――ンさん」


 ……誰だ?


「――起きて下さい!」


 ……この声、聞いた事あるような。


「ケビンさん、起きて下さいってば!」


「ううん……あれ……? コレット……?」


 なんで目の前にコレットがいるんだ?


「あれ? コレット? じゃないですよ、まったくも~」


 怒った顔もかわいいなー。

 ってそうじゃなくて!


「どうしてコレットが?」


「……はぁ、今日は一緒に遺跡に潜ったじゃないですか」


 え? 何の事だ?


「休憩中だからって遺跡の探索中に居眠りしてなんかして。しかも寝ぼけて……ちゃんとしてくださいよ」


 コレットと一緒に遺跡の探索?

 どういう事だ?


「えーと、何が何やら……ってあれ?」


 俺の手が骨じゃなくなってる!?

 手だけじゃない体も! スケルトンじゃなくて人間の、元の姿に戻ってる?


「どうしたんですか? 自分の手をじっと見つめたり、体なんて触っちゃったりして」


「いや、俺の体がスケルトンになってしまったはずなんだが……」


「スケルトン? アハハハ、どんな夢を見てるんですか」


 夢……?

 もしかして今までの事は全部、夢だったのか?


「ほら、休憩はもう終わりです。さっさと起きないと先に行っちゃいますよ」


 そうか、全部夢だったのか!


「よかったー!」


 そうだよな、人がスケルトンになるはずないもんな!

 いやー、夢でよかったよかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『おーい、コレット。置いていくなよ』


「ひぃ! 落ちた頭がカタカタ動いてる! まだ私を襲おうとしてるの!? はっ早く町に戻ろなくちゃ――転送石起動!」


『待てよーコレットー。ハハハハハハ!』




 ◇◆アース歴200年 6月13日・朝◇◆


『コレットったら、どれだけ逃げるん……だ……あ? ……あれ?』


 ……………………え?

 手が骨だ……体も骨だ。

 記憶が色々おかしい、ちゃんと思い出せ。

 えーと、確かコレットがトラップのスイッチを押してしまったからそれを助けたものの俺が壁に体を潰されて……そう、そこで意識が飛んだんだ。

 潰されたはずの体も元通りに再生 (スケルトンにだが) されてる。うん、自分が骨だという感覚もある。

 つまりスケルトンの方が現実であって人間の体でコレットと一緒に冒険してた方が――。


『夢だったのかよおおおおおおおおおお!!』


 というか眠れないのに夢見るってどういう事なんだよ!?

 スケルトンの体の性質が全然わからんわ!!


『ちくしょうがあああああああああああ!!』


 でも夢とはいえコレットに会えたからそれに関してはいい夢だったかな……。

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