表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スカーレットの森  作者: 結姫普慈子
第一章 学園
9/54

9. 自然体の魂

 やがてスカーレット先生とサクラは料理を食べ終え、店の出口へ向かう。本当に料理は無料のようで店員さんにはありがとうございましたー、と言われただけだった。

「あー、美味しかったわ。たまにはうなぎもいいわね。安パイ君良いチョイスだったよ」

「お姉ちゃん美味しかったね、また三人で来ようよ」

「学校にいる間は先生と呼びなさいって言ったでしょ?まったくサクラはちょっと抜けてるんだから」

「抜けてるんじゃなくてただ、甘えてるだけだよ。今は。ね?お姉ちゃん?」サクラはスカーレット先生の右腕全部をギュッと抱きしめて甘えた声で言う。

「これから会議なのよ・・・サクラ。もうちょっと気を引き締めたらどう?それとも会議には来ない?」

「行く行くー!」

 店から出ると偽の太陽光がややまぶしく俺は高い天井につけられているその光の源へ向かって手をかざしてみた。なんだかそれはSFチックでまるで現代ではないみたいである、光だった。

「会議についてくるなら、もっとちゃんとして。私に甘えないでちゃんと、先生って呼ぶのよ?わかった?サクラ」

「わかったよ、スカーレット先生」サクラはほっぺたを若干ふくらませてそう言った。

「よしよし、良い子だ」スカーレット先生はサクラのふくれたほっぺたを人差し指でツンツンと突きながらそう言い「じゃあ、安パイ君準備はいい?緊張してない?これから会議室に行くよ」

「大丈夫です。緊張はしていません。先生についていきますね」

「じゃあ、また手をつなごうね、アンドー君」サクラはそう言って俺の手を握ってきた。この手に握られるのもこれで三回目だった。といってもサクラの身体も俺の身体もコンピュータによって作られた代物であったが。しかしながらそれは自然体で魂が選びとったものでもある。

 サクラの手と俺の手が馴染んでいくのを俺は感じた。

「サクラって手首に香水つけてるだろう。俺も同じ香水よくつけるんだ。ジバンシイのウルトラマリンだろ?」

「え?アンドー君も同じ香水つけるの?おそろいって素敵じゃない?」サクラがにっこり笑う。

「いつもその香水なのか?」

「うん、そうだよ。時々、スカーレット先生のを借りたりするけど。先生とは同じ部屋に住んでるんだ」

「そうか」

「じゃあ行くわよ安パイ君、それにサクラ。ついてきて」スカーレット先生はそう言って先へ進んでいく。

 またエレベーターの前まで着くとボタンを押してエレベーター待つ。数秒でそれは来て俺たちはそれに乗り込んだ。

「次は87階よ」スカーレット先生は87階のボタンを押す。

 エレベーターが上昇を始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ