37. いなくなったコンピュータ
「ねぇ、364階に行ってみない?身体を持ったコンピュータを見てみたいの」とサクラが言った。
「わかったわ。みんなあそこに集まってるだろうから行ってみましょうか」とスカーレット先生が言ってエレベーターに入りカードキーを出す。
Masterと書かれているカードキーだった。
「そのカードキーを使えばもしかして365階にも行けるんですか?」
「やぁね、安パイ君。この学園は364階までよ」
「え?」俺はそう言うとサクラは口元に人差し指を立てて『シーッ』というポーズをとった。「あ、わかりました364階までですね」
「じゃあ、行くわよ」そう言って噴水のポスターの黒ずんだ部分にカードを当てる。
「何階ですか?」エレベーターのアナウンスがそう言う。
「364階」先生がそう言った。エレベーターが上昇を始める。
「アンドー君、365階は選ばれた人しか行けないの。内緒よ」とサクラは俺の耳元に近付いて言う。
「わかった」
エレベーターが364階に着くと大勢の教師達がいた。中には生徒会長や、校長先生の姿なんかも見える。
「行ってみましょう」先生がそう言う。
中に入って大勢の人に近寄ってみる。生徒会長に先生は話しかける。
「それで人間の身体を手に入れたコンピュータはどうなった?」
「それが・・・この学園から外に出て行っちゃったみたいなんです・・・」
「え?それじゃあこの学園のコンピュータは・・・」俺はそう言って部屋の奥の方をみると大きな空洞があり、そこにおそらくマザーコンピュータがあったことがうかがえた。
「この世界から逃げたのね」と先生が言う。「姿形を誰にも見せずに。ステファニーはなんて言ってる?」
「それがステファニーさんもいないんです」
「・・・」俺達三人と生徒会長は沈黙になる。
「コンピュータがいない、この学園でどうやって機械は動いてるんですか?」
「補助電源で今のところ動いてるのよ、安パイ君」
「なるほど」と俺が言う。「それでその補助電源はいつまで動くんですか?」
「あと一年間・・・」と生徒会長が言って「後一年以内に、いなくなったコンピュータを探さなくてわ・・・」
その時校長先生が俺たちの目の前に来た。
「それでだ、安パイ君、スカーレット先生、それにサクラ。君達には外の世界に出てコンピュータを探しに行ってほしいんだ、それにステファニーも見つけてきてほしい」
「一年以内に見つけてこの学園に戻すと・・・」先生がそう言う。
「ああ、その通りだ」
そうして俺たちは外の世界に出ることになった。




