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スカーレットの森  作者: 結姫普慈子
第一章 学園
37/54

37. いなくなったコンピュータ

「ねぇ、364階に行ってみない?身体を持ったコンピュータを見てみたいの」とサクラが言った。

「わかったわ。みんなあそこに集まってるだろうから行ってみましょうか」とスカーレット先生が言ってエレベーターに入りカードキーを出す。

 Masterと書かれているカードキーだった。

「そのカードキーを使えばもしかして365階にも行けるんですか?」

「やぁね、安パイ君。この学園は364階までよ」

「え?」俺はそう言うとサクラは口元に人差し指を立てて『シーッ』というポーズをとった。「あ、わかりました364階までですね」

「じゃあ、行くわよ」そう言って噴水のポスターの黒ずんだ部分にカードを当てる。

「何階ですか?」エレベーターのアナウンスがそう言う。

「364階」先生がそう言った。エレベーターが上昇を始める。


「アンドー君、365階は選ばれた人しか行けないの。内緒よ」とサクラは俺の耳元に近付いて言う。

「わかった」


 エレベーターが364階に着くと大勢の教師達がいた。中には生徒会長や、校長先生の姿なんかも見える。

「行ってみましょう」先生がそう言う。

 中に入って大勢の人に近寄ってみる。生徒会長に先生は話しかける。

「それで人間の身体を手に入れたコンピュータはどうなった?」

「それが・・・この学園から外に出て行っちゃったみたいなんです・・・」

「え?それじゃあこの学園のコンピュータは・・・」俺はそう言って部屋の奥の方をみると大きな空洞があり、そこにおそらくマザーコンピュータがあったことがうかがえた。

「この世界から逃げたのね」と先生が言う。「姿形を誰にも見せずに。ステファニーはなんて言ってる?」

「それがステファニーさんもいないんです」

「・・・」俺達三人と生徒会長は沈黙になる。

「コンピュータがいない、この学園でどうやって機械は動いてるんですか?」

「補助電源で今のところ動いてるのよ、安パイ君」

「なるほど」と俺が言う。「それでその補助電源はいつまで動くんですか?」

「あと一年間・・・」と生徒会長が言って「後一年以内に、いなくなったコンピュータを探さなくてわ・・・」

 その時校長先生が俺たちの目の前に来た。

「それでだ、安パイ君、スカーレット先生、それにサクラ。君達には外の世界に出てコンピュータを探しに行ってほしいんだ、それにステファニーも見つけてきてほしい」

「一年以内に見つけてこの学園に戻すと・・・」先生がそう言う。

「ああ、その通りだ」

 そうして俺たちは外の世界に出ることになった。

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