29. サクラの森
俺とサクラとスカーレット先生は学園の3階のプールにいた。そこでは広いプールで生徒達が水着で泳いだり長い椅子でくつろいだりしていた。
とても広大なプールで先にある壁が見えないほどであった。
「プールで泳いだ後に食べるファーストフードは最高なのよ。今泳いでいく?」先生がそう言う。
「今日は私泳ぐ気分じゃないわ」とサクラ。
「じゃあ、明日行かない?明日も暑そうだし、三人で来ようよ」
「いいですね。三人で行きましょう」俺がそう言った。「水着はどこで買うんですか?」
「カウンターで好きなものを選べるんだよ、アンドー君。なにか私に着て欲しいものある?」
「う~ん、そうだなあ。サクラにはやっぱり」
「サクラと私は黒いビキニにしましょ」とスカーレット先生は俺が着て欲しいものを言う前にそう言ってしまった。
「いいね~、黒いビキニ。お姉ちゃんとおそろいだね」
「先生って呼びなさい。その方がなんか背徳感があって、エッチでしょ?教師とおそろいのビキニよ」
「それもそうね、先生」とサクラがキャハハと笑いながら言う。
「安パイ君はブーメランパンツね。よろしく」
「まあ、ふんどしじゃないだけマシか」そう言って俺たち三人はプールを後にする。
「今度はサクラの森に行きましょう」とサクラが言った。エレベーターの中で327階のボタンをサクラは押す。
「サクラの森?どういう場所なんだ?」
「私が生まれた場所、行ってからのお楽しみだよ、アンドー君」サクラは嬉しそうに言った。
やがてエレベーターのドアが開き外の景色が見える。
そこは文字通り森だった。ピンク色の花弁をもった木々がずっと先まであった。サクラ、サクラ。
サクラが先に進みそのサクラの花ビラが舞い散る地面を歩んでいく。俺の横にいるスカーレット先生もどうやら安心しているようで目元がゆるんでいた。俺もサクラのあとを行く。
「ここで私は生まれたの私はサクラなの。この木々の魂なの」サクラはそう言い、更に続ける。「お姉ちゃんがサクラの魂を木々から抽出してそれに身体をつけたものなの。私はサクラなの」
「そうだったのか、サクラ」ピンク色の花ビラが俺の顔に降ってくる。これがサクラ、俺はそう思った。
「でもいつかは散るのよ」スカーレット先生は俺の後ろで小さくつぶやくと花ビラをヒトカケラ手のひらの上に乗っける。「この世界とともに」
「そう、世界はサクラと同じなの。いつかは散るの。アンドー君、約束したでしょ?コンピュータを超えるって」
「そうだな、約束したな」
「うん」
満開の桜の木の下でステファニーがいた。そこにサクラが近寄る。
「ステファニーちゃん、また会ったね」
「サクラ、あなたの生まれた場所」
「そう、私が生まれた場所」
俺はコンピュータを超えて世界を救わなければならない。確実に終わりは近付いていた。
「安パイ君、頼んだわよ」ステファニーはそう言って森の奥へと消えた。




