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スカーレットの森  作者: 結姫普慈子
第一章 学園
25/54

25. ノルウェイの森

「アンドー君サクラに惚れたの?」ステファニーが俺に聞いてくる。「ちょっと待ってって、選曲してあげる」と言って、ポケットからマシンを取り出す。黒色で出来たプレートだった。やがてピョンピョンとした電子音が鳴り始める。

「あ、ClariSのnexusだ」サクラがそう言った。

「サクラまた歌うのか?」

「もう歌わないよ。疲れちゃった」

「この曲は二人組で歌ってるみたいだな」

「そうね、二人組で歌ってるわ。アニメソングよ」とステファニーが言って俺の顔にタバコの煙を吐き出した。薔薇の匂いがする。

「それじゃあ、そろそろ図書館向かおうか、アンドー君」とサクラが言った。

「まあこの曲聞いてからでもいいんじゃない?」とステファニー。

「それもそうね。アンドー君、コーヒー飲み終わった?」

「熱いからゆっくり飲んでる」

「そっか、味わって飲もうね」

「うん」

 それからコーヒーを飲み終え、喫茶室を後にする。

「また、エスカレーターって乗り物に乗るのか?」

「今度はエレベーターにしよう。図書館は77階にあるから、ちょっと遠いのよ」

「そっか、わかった」

 エレベーターに進んでいく。やっぱり写真センターではClariSのnexusが流れていた。

 エレベーターに入ると静寂が支配していた。サクラは77階のボタンを押す。

 エレベーターが上昇を始めた。

「77階です」エレベーターのアナウンスがそう言った。扉が開くと図書館は天井がすごく高く、本棚がそこらじゅうにあった。大図書館であった。

「受付に行こう、アンドー君」

「そうだな」図書館の中は若干暑くて俺は汗ばみ始めた。


 受付の前では回転する機械があってそれが風を放出していた。俺はその前ではぁーと息を吐く。

「すいません、『ノルウェイの森』を貸してください」と受付の人にサクラは言った。受付の人は黙って奥の方への扉へと行ってその中に消えた。

 それから少しして扉から出てくると二冊の文庫本を携えていた。

「はい、どうぞ」受付の人はそう言ってサクラに本を渡した。

「ありがとう」サクラがそう言う。「机探そうか、アンドー君」と言ってサクラは文庫本を胸に抱えて机を探しに行く。

 広々した丸い机がいくつか別れて置いてあって俺たちはそこの一つに座った。

「はい、読んでみて。アンドー君」

「時間かかるぜ。結構長そうだし」

「あ、待ってて速く読める眼鏡借りてきてあげる。それをかけると一ページ一秒で読めるのよ」

「そりゃ、すごいな」サクラは受付に眼鏡を借りに行った。

 俺はサクラが戻るまで本の表紙を見ていた。緑色と赤色でそれは出来ていた。



 俺はその本を読み終えると一息吐いた。

「どう?面白かった?」

「面白かったぞ」

「じゃあ、返してくるね」と言ってサクラは本を受付に戻しに行った。

 ノルウェイの森か。俺は自分の部屋に帰って昼寝がしたくなった。

「じゃあ、学校の案内してあげる」

「サクラ、ちょっと眠いから俺の部屋に戻って昼寝していいか?」

「しょうがないなあ、アンドー君。じゃあ帰ろうっか。私もアンドー君の部屋で昼寝するよ」

「わかった」そう言って俺は自分の部屋へと帰った。サクラを連れて。

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