17. 薄いピンクのロングコート
「あとはこの上にコートを着込めば下着が隠れるからそれでいいわね」スカーレット先生はそう言った。
「ま、いっか」サクラもそれを認める。
「え、いいの?」
「だって、私帰ったらまたベッドで寝るもの。めんどーでしょ?」
「先生がいいなら、いいですけど」
「じゃあ、出発よ!安パイ君!」先生はそう言ってクローゼットを思いっきりガラリと音を立てて開き中からピンクのロングコートを取り出した。生地は薄いようで先生はそれを羽織ると細長い指先でボタンをとめる。
コートの中にはさまった長いピンク色の髪の毛をばさりと後ろに手で流すと先生は部屋の出口に歩き始めた。コートの開いた部分から見える首元が薄いピンクのおしろいをしたかのように赤ばんでいた。
コートの胸元の部分は盛り上がっていて、腰の部分までふっくらとして見えた。
先生は扉をガチャリと開けると先に行ってしまう。
「待ってー、スカーレット先生ー」サクラが後を追いかけていく。俺もその後をついていく。
結構な早歩きで先生は先に行ってしまう。
「アンドー君って写真立て持ってる?」その時サクラが歩きながら俺に言った。
「いや持ってないけど?写真立てってなんだ?」
「さっきお姉ちゃんに私の裸の写真もらったでしょ?それを飾るパネルみたいな物のことよ」
「え?」
「飾らないの?」
「サクラの裸をか?」
「うん」やはりサクラは歩きながら言う。「持ってないなら後で写真屋さんに行こうか。連れてってあげるよ」
「ああ、わかった」
それからエレベーターに着き中に入る。エレベーターが下降を始める。
「やっぱ、ロングコート着てると暑いわね。ワンピースにしときゃよかった」
「お姉ちゃん暑がりだもんね」
スカーレット先生は手を団扇にして顔の周辺を扇いでいた。顎の下と首元に汗がじんわり出てきていた。
エレベーターが一階に着き扉が開く。
「あちぃ、あちぃ」先生はまたそう言って先に歩いて行った。
駐車場に着くとスカーレット先生はピンクのロングコートのポケットから鍵を取り出してそのボタンを押して車のドアを解錠する。
「はい、開いたわよ」
「ありました、ありました。先生ありがとうございます」
「はぁん、あっちぃ!」
「今日はかんかん照りね」サクラがそう言って俺の荷物の半分を持ってくれる。
「じゃあ、私は部屋に帰るわね」
「エレベーターまで一緒に行こうよ」
「暑いからアイスクリーム食べたくなっちゃったのよ、私」
「それじゃあ私達も食べていこうよ、ね?アンドー君」
「そうだな、俺達も食べて行こう。どこに売ってるんですか?」
「え?コンビニ」先生はそう言って手であごの汗をぬぐって、ぺっぺとその汗の滴を床に叩きつけた。




