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prologue
「この世界って、なんで出来たんだろう。」
いつからだろうか、そんな事を考え始めたのは。
目紛しく回るこの世界で、そんなものの答えなどでない。
「馬鹿みたい」
誰も知り得ない事をの答えを求めたところで意味がない。自分が馬鹿らしくなってくる。この世に産まれて、これといって不幸な事はない。しかし幸せでもない。そんな中途半端に生きている私に、価値はあるのだろうか、意味はあるのかと、自問自答を繰り返す。何度も何度も考えたが、やはり答えはでなかった。
そもそも宇宙とは何故できたのか、人類はなぜ生まれたのか、疑問は次から次へとでてくる。こんな馬鹿げた事、考ても無意味だ。そう、わかっているのに。なのに、私の中から疑問は消えない。鉛のように、胸の中にずしんと残る。
この時の私は知らなかった。
まさか、あんな事になってるなんて思いもしなかった。