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ハロー

作者: mrtk

20160826公開


 宇宙好き・SF好き・科学好きには堪らない発見が有ったので、衝動的に書いてしまいました。

 もし、興味を持たれた方が居られましたらキーワードを参考に検索下さいまし(^^)/


「いよいよですね」

「ああ。60周期に亘る苦労がやっと報われる」


 周囲では数多くの技術者が、それぞれの部署で計画の最終段階の準備に余念がなかった。

 私はその作業をちらりと見て、声を掛けて来た司教に顔を向けた。

 彼が属する宗派は、この110周期で一気に規模を拡大していた。

 その理由が宇宙から齎された謎の電力波だと言うのは皮肉なものだが。


「とはいえ、膨大な予算を費やしただけの成果が有れば良いのだが」

「心配されなくとも大丈夫です。宇宙の創造主は我らが寂しくない様に隣人を用意してくれていたのですから。きっと、答えてくれますよ」

「ならば良いのだが・・・」


 切っ掛けは120周期の昔に開発されてから急速に発達した電力波の技術を使った、初めて本格的に行われる都市をまたぐ大出力の信号送受信実験の分析結果だった。

 何度も分析したが送信側で送った電力波以外の微弱な信号が混信していた。 

 しかも明らかに自然のものでは無い位に整調された電力波だった。


「彼らは明らかに我々よりも進んだ文明の持ち主なのです。きっと我らの求めに応じてくれます」


 私の言葉に、司教は宗教者故の確信に満ちた声で答えた。


「そうだな。今は計画の成功を祈るしかないか」


 我々の星は、我々の愚行ゆえに滅びようとしていた。

 科学が齎してくれる便利な生活を追い求める余り、3000周期に亘り母星を汚し過ぎた。

 今では、作物が昔と同じ様に育つ土地は数えるほどだ。


「宇宙の創造主が我らを見放さない限り、この計画は成功します。もし、間に合わないのであれば、我らの信仰が足りなかったと言う事・・・ その責任は私が取りますので、殿下はお気になられますな」


 110周期前に発表された、謎の電力波に関する研究結果は世界を震撼させた。

 我々以外にも知的生命体は存在し、その技術レベルは遥か先を進んでいるというものだった。

 我々はその知的生命体から齎される電力波の分析を急いだ。何故ならば、我々には解決出来ない問題の解決策が紛れているかも知れないからだ。

 幾つかの成果は上がっている。それ以外にも我々の技術に革新を齎す知識も数多く得た。

 だが、それだけでは我々の滅亡は止められない。


「そなたがこの計画に賛同してくれた事、誠に僥倖であったと思う。改めて礼を言うぞ」

「宇宙の創造主の御心故みこころゆえ、礼には及びません」


 彼が属する宗派は信者から募金を募り、その全てをこの計画に寄付を行っていた。 

 おかげで予算は潤沢に用意され、当初の計画を遥かに上回る短期間でここまでやって来ていた。


「殿下、そろそろご準備下さい」

「ああ、分かった。では、司教、貴君達の献身が無駄にならない様に全力を尽くそう」

「宇宙の創造主のご加護が有らん事を」





 地球時間に換算した4.2年後にその電波は地球に到達した。

 ある帯域の周波数で到達した信号は、地球に熱狂を齎した。

 まさか一番近い恒星系から、知的生命体による挨拶が届いたのだから当然と言えば当然であった。


 その電波は分析や解読をするまでも無く内容が判明した。

 AMラジオの帯域で届いた第一声は英語の「ハロー」だった・・・・・・・

  

如何でしたでしょうか?

 

 本当なら、この作品の10倍以上の字数で書いてもいい位の素材です。

 まあ、休みなので真昼間からビールを飲んでいるmrtkにそこまでは無理だったので、超短編として書いちゃいました(^^;)

 ご意見等ございましたら、お気軽にお知らせ下さいませ(^^)

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