プロローグ
2108年。日本。
私“瀬賀 偶輝”は、東京都にて、普通に登校して、帰宅したら家事をして、疲れて寝て……。平凡な生活を過ごしていた女子高生として生きていた。
いつもそこにある服を取り出しては着ている。だからか、日によって田舎くさかったりする。そう、特別可愛いワケでもない。
なんとなくロボットみたいに過ごしていた日々。そんな毎日にマンネリを引き起こし、
『なにか変なこと起きないかな…?』
そう思いながら過ごしていた。
…が、しかし。その変化は突然襲いかかる。
それは、ある日の朝。
陵谷高校2年生の私なので 朝食を済ませてから登校する毎日。近所に住む幼なじみ“藍戸 夢巻”ちゃんと、いつものように登校していた。
そして学校に到着し、靴を脱いで上履きに履き替え、廊下を2人で歩き始めたときだった。
突然、震度7かと思わせるくらいの大地震が『ゴゴン!』と大きな音を轟かせ、一瞬だけ揺れて足元を狂わせ、夢巻ちゃんも私も、周りにいたみんなも、一緒のタイミングで倒れ込んだ。
「な、何でしょう…? 今のは地震ですか…?」
生徒全員が敬語で驚きを表現し、立ち尽くしていた。
「偶輝さん、今のは地震ですか?」
まさかとは思ったけど、私は敬語で、しかも丁寧に名前を呼ばれたことに違和感を感じ、夢巻ちゃんに聞き返した。
いつも通りに聞き返したつもりだったけど、
『凄い地震でした…って、あら? なぜ敬語なのですか?』
と、私まで敬語で話してしまっていた…!
……この時から私達…いや、人類は、タメ口を失ってしまったみたいだ………