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神殺しの王となる。  作者: 唐松あせび
一章 モハナト革命
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四十一話 心臓の呪い 1

 事実、今のところファリースリ陣営は――様々な勢力の支援を受けているとはいえ――モハナト公爵とラミ伯爵そしてナラスによって動かされているようなものです。

 また、バレたら死刑を免れない魔法薬の商売を運営するのは危険が大きすぎるでしょう。中々、彼らの勢力が大きくならないのにはそういう理由があります。

 しかし、ファリースリ陣営が街の外に魔の手を伸ばし始めたら、ツヅルたち革命隊は解散を免れません。

 ツヅルはモハナト内以外で戦争を起こす気がありません。これ以上勢力を拡大されると、東ベストロジア、やがてベストロジア王国にまで戦火が広がるでしょう。それは革命ではなく、内戦です。

 今が最終ラインなのです。ラミ伯爵は潰せました。

 ナービというこの街有数の魔術師がいればナラスを殺すのも、そこまで苦労することではないと思われます。

 ここで、断るほどナービは情はないし、頭はありました。


「話してくれ。どんな内容でも決行するよ」


 覚悟した眼でナービは呟きました。


「魔族討伐については僕たちの方に任せて下さい」


 ツヅルは淡々とした態度でそう言います。

 「もう一度聞くけど本当に魔族を君らだけで殺せるの?」とナービは聞きました。まだ彼はメアの件を知りません。別に首を横に振る理由もないので、頷きます。


「そして、ナービさんにやってもらいたいのは先程もいった通りナラスをどうにかして無力化することです。気絶でもいいですし、最悪殺しても構いません」


 まるでナラスを人間として扱っていないような口振りにナービは驚きを隠せません。その歳でもうこんな残虐な作戦をたてられるのか、と彼は驚愕しました。


「そういえば、ナラスはフォート家の事件のせいでモハナト公爵家屋敷に訪れているんですよね? それってどのくらいの人が知ってます?」

「うん? えーと、『湖の剣』のメンバーは全員知ってるよ。後は……、ああ、ナラスに目がない女性冒険者の集団も」


 その質問の意図が分からないナービは、疑問に思いながらもとりあえず答えます。


「そうですか。……じゃあ、明後日、街の外、そうですね、東門を出てすぐのところに馬車を用意しておくので、どうにか理由をつけてナラスと2人で他の人にはバレないように来てください」

「そして、……」


 そして、ツヅルは魔族討伐後の行動について語りました。それはいい意味でも悪い意味でも常軌を逸していました。 

 ナービは思わず立ち上がってしまいます。今まで、彼の人生で心臓が止まるほどに驚いたことは1回しかありませんでした。

 驚きの次には怒りが彼の表情に浮かんできたのが、ツヅルには分かりました。このまま、掴みかかられてもおかしくないでしょう。確かに、彼が語ったのは最低な作戦と思われても仕方がない、非道なものでした。

 



 少し一人にしてくれ。話し終わると、暗い表情で俯いたナービからそう頼まれたのでツヅルは会談室から出ました。

 今、やらなければならないことは終わったから部屋に戻ろう、とツヅルは廊下を歩いています。

 廊下の窓から空を外を見ると、もう既に太陽は落ちて薄暗くなっていて、街の活気もなくなってきていました。

 歩きながら、明後日までにやっておかなければならないことを確認します。そして、その始めとして、脳内にいる藍色の謎生物に声を掛けました。


(テルラン)

(……何じゃ)


 気だるそうなその声はツヅルの心境を反映しているかのようでした。


(メア救出のためにお前の力を借りたい)

(……! ……じゃが、妾はツヅルよりも戦えんぞ)


 一瞬、歓喜の吐息を漏らしたテルランですが、すぐにその元気を失いました。どうせ嘘だ、とでも思っているのでしょうか。


(大丈夫だ。テルランも魔族討伐の概要ぐらいは知ってるだろう?)

(まぁ……、それぐらいは)

(ムーロを生かしても殺してもいけない、だからテルランには、)


 ツヅルがふと思い付いた作戦。それは、成功率は低く非効率的で、少しでも計画が崩れれば自分たちにも危険が及ぶ作戦です。

 しかし、彼の英雄的才能はその作戦以外のものを選ぶことを許しませんでした。


(――ムーロの魔力を全て吸収してもらう)


 結果論で語るならば、愚王の才能でしょう。




 しばし、テルランと立ち話をしてから部屋に帰ると、


「ツヅル! お帰り!」


 黒色の髪の何かが猛突進してきました。


「ぐはっ……!」


 不意打ちの体当たりを鳩尾で防御しながら、目の前にいる物体を見てみると――案の定とでもいうべきか――ネリーです。


「どうしたんだ! ツヅル! そんなに腹を抱えて!」


 崩れ落ちたツヅルにネリーは無邪気な笑顔を向けました。

 我関していないから、な態度にイラッときたツヅルはネリーの脇腹を掴んで怒りのくすぐりを始めました。


「あっ! ちょっ! アハハハっ! ツヅル! や、やめてっー!」


 1分も続けていると、ネリーは顔を真赤にしながら、ツヅルと同じように崩れ落ちました。部屋の前で何をやっているのだろう、とまともな精神の人々ならば思ったことでしょう。


「はぁ……、はぁ……」


 涙目のネリーは息を荒立てながらも恨めしげな目つきをツヅルに向けます。


「どうしたんだ?」


 その眼光がくすぐったことに対してじゃないことに気づいたツヅルは未だに痛い鳩尾を抱えながら聞きました。

 ふと、部屋の中を見てみると、ツシータがベッドの上でスヤスヤと寝ているのが見えました。

 まだ19時くらいなのに眠ってしまうとは、やはり今日の件で大分疲れたようです。


「……連れてってくれなかった、から」 


 ネリーは拗ねたような、というか拗ねている声でそっぽを向きながら呟きました。

 今日1人にされたのが寂しかったということでしょうか。


「ネリーもまだまだ子供っぽいところがあるんだなー」


 薄ら笑いに近い笑顔を浮かべたツヅルは、そっぽを向きながらもチラチラと彼の様子を伺っているネリーに抱きつきます。


「違う!」


 羞恥で顔を赤くしながらも、ネリーは抱擁を逃れようとはしませんでした。一般的な少女と頭の中身がまるで違う彼女にも少女の柔らかさは健在のようです。

 甘噛みしたくなるような二の腕や首、撫でたくなるような背中や腹の感触は十分に味わえました。

 精神年齢20歳の男が何をやっているんだという指摘はごもっともだと思います。ツヅルは自分の行いを省みて、何ともいえぬ悲しみに包まれました。

 それは水に流しておいて、ツヅルとネリーは仲違いをやめると、せめて夕食は食わしたほうがいいだろうということでツシータを起こし、食堂に向かいました。


――――――――――


 時は2日ほど進んで、3月17日。ついにこの日がやって来ました。そう、魔族討伐当日です。

 ツヅルは現在、ナービに伝えた通り、モハナトの東門を出てすぐ近くの平原に借り馬車を止めていました。それにはツヅルはもちろん、ツシータや例の如く黒色の外套に付いているフードを被り顔を隠しているサラが乗っています。

 ツヅルは久しぶり――といっても3日ぶり程度ですが――にユーミルマントと紅黒のミサンガを着ていて、ツシータは貰ったハイウエストベルトを相変わらずの緑のワンピースに付けていました。

 そのベルトってそこまで便利なのか、とツヅルは胸中で思いました。

 草が繁茂し花や木が点在する、舗装というよりは少し取り繕っただけの平原道は、若干ゴツゴツしています。

 天候は幸いなことに快晴で、雨の降りにくいこの街にツヅルは感謝しました。

 改めて、モハナト周辺の地理を纏めます。

 東側には広大な平原が広がっていて、さらに行くと北ミストレア森林があり、もう少し行くと世界一の高さを誇るウェート山脈が連なっています。

 少し西側には小さな荒原がありますが、そこを越えると平原や林などが見られます。その荒原の最西端から数千キロ行くと西ベストロジアと東ベストロジアの境目であるキタリ川付近を拠点とする港街サーヴがあり、西ベストロジアに行くには必ずこの街を経由せねばなりません。

 北には川や湖が多くクヌという農業街やハルミリという貴族たちのために作られた街があり、南側には荒れ果てた土地が広がっていて、最南端は人が住める状態にはないと聞きます。

 ツヅル達がラスと決戦しようと思っているのは街や村が近くにない東側の平原でした。




(いよいよラスと戦うのだな)


 ツヅルの口から語られる作戦内容を聞いて、サラは改めてそう思います。

 昨日、つまりはリーフ誘拐の次の日にツヅルは「リリィー・ジェラス」に向かいました。

 もちろん、その理由はサラに思い付いた作戦を伝えるためです。

 結果的に彼女はツヅルの作戦に賛同しましたが、当初は、それは危険すぎるやら、成功確率があまりにも低くないかと非難轟々でした。

 因みに、サラがフードを被って顔を隠しているのは、ムーロをどうにかして帰った時にメアの保護者が闇魔法を使えるとバレたらまずいだろう、という理由があります。

 そう、ツヅルはサラを絶対に連れて帰るつもりでした。


「欠けるのは月だけでいい」


と、口説き文句のような言葉をサラを説得する時に放ちましたが、そのふざけ具合とは相反してツヅルは本気でした。

 メアにサラやムーロ、「リリィー・ジェラス」、彼女の思い出の何もかもがなくなっている姿を見せたくありません。

 命の危険を冒してまでメアを最善の形で助けようとするのは、正義感か、欲望の類なのか、それとも何かしら強迫観念が故なのか、ツヅルには分かりませんでした。


「……メアの部屋以外の部屋の内装はもう残っていないが、生き残れたらまた魔法薬店、再開してみるか」


 サラのその呟きが、彼の耳から離れませんでした。

 魔族と戦う、ということをつい昨日知らされたツシータは彼の行動力に少し辟易(へきえき)としていましたが、ツヅルの言うことには従う、という謎の信頼によりそこまで取り乱していないようです。

 むしろ、強敵との戦闘に胸を熱くして、いえ彼女の場合は冷たくしていました。

 今日の朝から戦闘の時になるような顔をピクリとも動かさない無表情で、普段との変化具合はネリーも驚いたほどです。

 今の自分じゃ敵いそうにない相手にもこのように冷静な態度を取れるのは彼女の一つの利点でした。


「やぁ、ツヅルくん」


 会話のない馬車内でツシータを観察していると、落ち着いた青年の声が聞こえます。ナービでした。


「闇魔術師を見つけたとは本当かい?」

「燃えてきたぜ!」


 その後ろから聞こえてきた2つの声にツヅルは驚きました。

 その声があまりにも怪奇的だったということではなく、驚いたのは、2つ、という部分です。


「ごめんね、ツヅルくん。『予知』の祝福持ちの闇魔術師が魔族がツラウ村に攻勢を仕掛けてくるって予言したのにも関わらず、2人しか連れて来られなくて」

「……いえ、お三方がいれば魔族なんて恐れるに足らないでしょう」


 ナービが済まなそうに言う嘘を、驚愕していたツヅルは咄嗟に流します。 

 恐らく、ナラスだけを連れてこようとしましたが、失敗してこの筋肉だけで構成されたような大男を連れてきてしまったのでしょう。

 ツヅルとツシータとサラの3人は魔族と戦わなければなりません。このナラスと筋肉を相手にするのはナービだけなので少し心配になりました。

 因みに、先程の祝福持ちというのは神に能力を授けられた者の俗称らしいです。

 祝福持ちはこの世界に100人いるかいないか程度らしく、その設定を取り出してきたナービにツヅルは驚きました。

 まぁ、ともかくナービは、「『予知』の祝福持ちの闇魔法使いと邂逅(かいこう)したツヅルは、今日の朝、その祝福を使用して貰うと、今日の昼前にはツラウ村に魔族が襲ってくるということが分かった。なので、すぐにナービに伝えに来た。ナービは急いで人を集めようとしたが、時間にも制限があるので2人しか集められなかった」というストーリーを組み立てたようです。

 御託はいいから早く行こうぜ、という筋肉の言葉に突き動かされて、ツヅルたちは早速出発しました。

 ナラスは未だ疑っているのか、少しの間、馬車に乗ろうとしませんでしたが、子供であるツヅルとツシータを見るとすぐに乗り込みました。

 ゆっくりと馬車が動き出します。


「そういえば、自己紹介がまだだったね」


 全員が乗り込んだところで、ナービがそう言いました。

 恐らく、ツヅルたちの魂胆がバレないように適当な会話で暇を潰そうという意図でしょう。

 自己紹介はツヅル、ツシータ、ナービ、ナラスという順番で終わり、最後に、


「俺、クラ・ジドル! 『湖の剣』の副副隊長を勤めている!」


と、筋肉、いえクラがうるさく言います。

 クラは何故か胸までしか収まりきっていないシャツ1枚で下も短パンだけ、という露出狂スタイルで大きな斧を背中に紐一本で結びつけてありました。

 喋っているところを見ると、意外にもに親しみやすそうな雰囲気を纏っています。しかし、魔族と戦闘になったら、すぐに敵対するということを考えるとどうしても友好を促進させようとは思いませんでした。


「この人は、サリー・ハイアー。一流の闇魔法使いで世界を放浪としている魔族狩り専門の冒険者らしいです。今回、魔族討伐に当たって協力してくれました。あ、先天的に喋れないらしいので、気をつけてください」


 ツヅルは適当に便利な設定を考えて、ナチュラルにまるで嘘など吐いていないかのような態度でサラのことを紹介しました。

 サラにはあらかじめ、沈黙を頼んであります。


「ハイアーさん。お会いできて光栄です。今回はモハナトを(おびや)かすかもしれない魔族の討伐に参加して頂いてありがとうございます」


 その嘘にまんまと騙されて、露骨に態度を変えたナラスはその優れた容姿を笑顔で輝かせました。

 話せない設定のサラは、コクリと頷くのみです。


「さぁ、魔族討伐のための作戦を練りましょう」


 一通り自己紹介が終わったと見るや、ナービは次の話題に移りました。

 ツヅルは皆が作戦立案に集中している間にサラに「無音魔法」での闇魔法を使用を合図します。

 もちろん、これは闇魔法にご執着なムーロを呼び出すためでした。

 作戦の時は近い。ツヅルはそう思いながら、ツシータから貰った黒色と赤色のミサンガを触ります。

 



 作戦会議をしていると、馬車馬が倒れる音がしました。馬車が強引に止まることによって中にいるツヅルたちが慣性により少し前に吹っ飛ばされます。


「なんだ!?」


 クラはその大きい斧を紐から取り外して片手で持ち、外に出ました。

 外に魔族がいることを察しているナービやツヅルも驚いた演技をしながら、同じく馬車から降りました。


「ふふふ、やっと出会えたわね」


 晴れ晴れとした太陽の下、広大な草原のど真ん中でツヅルはついに再開しました。

 片翼片角で何の素材で出来ているのか分からないボロボロの服にギラギラとした眼球、以前戦ったムーロに間違いありません。

 どうやら、再戦申し込みを受け入れてくれるようで、もう彼女は戦闘する気満々のように見えました。

 しかし、幸いなことに、先の戦闘でツヅルが彼女に使用した対魔族用の魔法薬で負った傷がまだ治っていないのか、もう既に若干疲労しているようです。


「魔族、今すぐモハナトに連行されてツラウ村にオールドスライムを放った罪を問われるなら、殺すことは勘弁しよう」

「あら、あなたがあの可愛らしい闇魔法を放ったの?」


 まず、ナラスが言いましたが、ムーロはどこ吹く風と聞き流し、全く関係ない話題を振りました。

 サラはその頭の狂ったムーロを見て、悲しみに暮れていました。

 確かに、サラからしてみれば、数十年来の付き合いで家族よりも長く同じ時を過ごし、命を共にした親友であるラスがこの様な姿になっているのを目にし、そしてそんな姿にしたのが自分だと思うと、嘆きが生まれるのも仕方がないことでしょう。


「さて、殺されたくなかったら闇魔法使いを渡しなさい。別に私はあなた達を虐殺したいわけじゃあないの。それさえくれたら、ね」 

「断る」


 小馬鹿にしたように笑っているムーロの最後通牒を一歩前に出て、無表情で断るサラの図です。

 どこで間違ったのか。その問いにメアはもちろん、サラやムーロも答えられないでしょう。

 ツヅルたちが死ぬか、ラスが封印されるかのどちらかしか、未来は残されていません。


「今、サリーさんが喋った……!?」


 断る、というサラの言葉は合図でもありました。

 彼女が喋ったことに驚いていたナラスやクラに突然、魔法が飛んできました。


――――――――――


 以前も述べたように、睡眠魔法とは相手の脳を揺さぶって気絶させる魔法です。

 ですが、昔は、脳の睡眠を司る部分に魔法で暗示を掛けるというのが一般的だったらしいです。

 何故暗示から振動に変わったのでしょうか、その理由は相手に睡眠魔法が掛からなかったときに現れます。

 暗示では選択肢が眠るか眠らないかのどちらかしかなく、しかも確率は後者のほうが圧倒的に高いのは明白でしょう。

 といっても、振動も成功確率はそこまで変わりません。振動は相手を気絶されるのに失敗したとき、相手にダメージを与えられるのです。

 脳の規管の能力の低下による感覚の一時的な低下が主な効果です。

 ナービがナラス、クラ殺害の第一手に睡眠魔法を放ったのは、別に眠らそうとしたわけじゃなく、この効果を狙ったからでした。

 ナラスら2人は生粋の物理アタッカーであり、魔法耐性が聖属性魔法で結界を張ってもらっていない限り、そこまでありません。

 ナービの放った「昏睡」で狙い通り、脳を揺さぶられた彼らは直立し続けるのも困難な状態に陥り、フラフラを足を漂わせました。


「おい! ナービ!」


 魔族から離れるために、フラフラする意識の中何とか後ろに飛んだクラはそう叫びました。

 もしかしたら、ナービが珍しく魔法の方向を間違ったのだと思っているのかもしれません。

 クラは人間的に甘いところがあります。子供が捨てられていたら迷わず保護し、誰かが困っていたら協力してあげるほどのお人好しぶりなのです。

 ナービとしてもそんな善人を殺したくはありません。しかし、もう彼は身を信念に捧げたのです。

 また、ナラスは未だに同じ場所でフラフラとしています。その様子はまるでモハナト最強冒険者の姿には見えません。

 当たり前です。ナラスはすべてが嘘っぱちです。

 A級冒険者という称号も試験担当の女性職員を容姿で(たぶら)かして手に入れたものですし、戦闘でも剣士なのに基本的には後衛にいて、唯一前に出てくるのはとどめの一撃を刺しに来る時のみ。

 冒険者よりも貴族なんかが向いているこの男にナービが負けるはずがありません。

 実質、ナラス殺しでの最大の難関はクラを突破だと言えるでしょう。

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