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聖樹の種、もらいました。

作者: Licht

目が覚めたら森の中でした。


……そんなことありえるだろうか。実際、今自分の身に起きていることだとしても。

あれ?私いつものようにバイトから帰ってお風呂入って寝る準備満々だったはずだよね?それがどうじてこうなってんの?

 とりあえず辺りを見回してみたが木や草しかない。お布団に入ったときはもう一時回っていたけれど、空は明るい。自分の格好は寝間着のまま。もう12月に入っていたので長袖長ズボンのスエットだ。一応服をあさってみるとズボンのポケットの中に折りたたまれた紙が。それを開くとなにやら地図のような…とりあえず一直線にすすめばいいのか?


「…………行くか」









 地図に書かれたとおり(といってもまっすぐな線の先に家が描いてあっただけ)に進んでみると、なんと可愛らしい一軒家が。白い柵に囲まれており、まるで物語にいる妖精などが住んでいそうな家である。その場につったている訳にもいかないのでノックをしてみたが、誰も出る気配はない。これって入っていいの?あれ、でも扉開いてる…


「……おじゃましまーす」


思ったよりも小さい声になったが、仕方ない。声をかけ家の中に入る。家のなかは外見と同じく白や茶色を基調として花の形の飾り物がセンス良く並んでいる可愛い家である。履いていた靴をぬぎ、近くにある扉のドアノブをゆっくりと押した。すると、そこには一人がけのソファに座っている美女が笑顔でこちらを見ていた。


「こんにちわ、ミコトちゃん」

「…………こんにちわ」


 え、誰?とっさに反応してしまったが私にこんな美女の知り合いはいない。そしてなぜ私の名前を知っているのだろうか


「私はこの世界の女神 ディーナよ。貴方をここに呼んだのは私。突然だけれど、貴方に頼みたい事があるの」

「女神…?え、頼みごと…?」

「そう。今、この世界にはエレメントが足りない事態が発生しているのよ。そのせいで土地が荒れて…このままではこの世界が滅んでしまう。…そこで、あなたの力を貸してほしいの。女神である私は直接この世界にふれることはできない。だから、貴方にこの四つの種をそ育ててほしいの」


 ききなれない単語が沢山でてきて頭が混乱する。…つまり、私はこの人のせいでここに来たって事…?


「あの…私、帰れるんですか」

「元の世界によね?」

「はい…」


もう一度、帰れますよね…?と聞くが彼女はゆっくりと首を横にふった。うそ…と乾いた声がでる。しかい彼女はもう一度首を振り「元いた世界で貴方は、元から存在しなかった事にになっているの」と告げた。


「そんな……」


情けない声がでる。頭に思い浮かぶのは家族や大学の友達の顔。もうすぐお母さんの誕生日で、お父さんや弟となにあげようが考えたりしてたのに……。しだいに視界がぼやけてきた。そんな私を見て彼女のその綺麗な顔をゆがめた。


「ごめんなさい…本当にごめんなさい。私の都合で貴方をこんな目にあわせて。それでも、貴方にはここでやってもらいたい事があるの」


私に頭を上げてきた彼女はそういってまた、私をしっかりと見つめた。彼女は彼女でやるべきことがあって私をここに呼んだ……。もうなってしまったものはどうしようもない。暫くは立ち直れないかもしれないけど、取り敢えず話を聞こう。そう思い、頬を濡らしていた涙をぬぐい彼女をみつめる。私の思ったことが伝わったのか、彼女は口を開いた。


「――さっきも言った通り、この世界にはエレメントが足りないせいで荒れてきている。そのために、貴方には精霊たちとの絆を深めてこの聖樹の種を育ててほしいの。…もちろん、私もできる限り貴方をサポートするわ。世界に直接関わるわけでもないし、育て方は貴方の魔力をこの種たちに注いでくれればいいの」

「私の、魔力…?」

「そうよ。この世界に来たことで貴方は魔力をもてるようになった。ちょっと色々ややこしい事はあるけどそれでも貴方の魔力値は高いわ。…けれど、聖樹にはただ魔力を注げば言い訳じゃないの。精霊たちとの絆が必要なの。そして、あなたにはこの世界で生きていくために必要な職業(ジョブ)を授けたわ。…そうね、大体の説明はここまでかしら。後の説明は彼らに聞くといいわ。…それじゃあ、私は上からいつでも応援してるから。貴方にとってこの世界が幸せであふれますように」


 そういって彼女――女神は目の前から消えた。取り敢えずこの種に私の魔力を注げばいいわけで…後の説明はって言っていたけど、彼等っていったい誰の――「君が、ミコト?」


「え?」


振り向いた先にはいつの間にいたのか、四人の美しい男達がたっていた。その内の一人、金髪緑眼の王子風の男の人が此方に近づいてきた。呆然としている私の手をとり、唇を手に近づけチュッと音をつけて口付けた。


「俺の名前はノア。よろしく、ミコト」


そこで私の記憶はなくなった。


連載にしたいやつ。

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