『夏目漱石問題』
『夏目漱石問題』
㈠
夏目漱石は、いわゆる、先駆者的な扱いではないだろうか、森鴎外とともに。しかし、長編は芥川龍之介よりも上手いし長いし、才能はあるとは思って居る。しかし、夏目漱石は、どうだろう、何か、退屈な感じがしないか。
㈡
もしも、あの王御所の夏目漱石を問題視するとしたら、その退屈さにあると言っていいだろう。無論、その退屈さを、丁寧な文章で長編でストーリーテラーの天才だ、と言う人、思う人、それは沢山いるだろうし、俺はその方々には、頭を下げる。
㈢
しかし、夏目漱石問題と言えば、やはり、退屈だという言葉しか出てこない。それなりのユーモアもあるだろうが、どうにも、退屈なのである。だから俺は、芥川に、太宰に、逃げるようにして、その短編に、靡くのである。