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もしも地球の支配者が猫だったら  作者: しいな ここみ
第三部 人間 vs 人間

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おふたりが楽しそうなのやの (ミオ視点)

 その人間様は、猫でいったら、ユキタローちゃまんとこのコユキちゃんと同い年ぐらいだそうな。

 でも精神年齢はウチのマオちゃまと、きっと同じぐらいよね。

 だっておふたりはとっても気が合ったらしくて、広い野原でビュンビュン遊んでらっしゃいますのやの。


 あたいには人間語で会話するおふたりの言ってることはわかりませんけど、なんていうのやろ、和気あいあい? そんな雰囲気はよくわかりまふ。


 おふたりの笑い声が、青いお空にこだまして、うふふふあはは……。


 あたいは子猫たちにお乳を与えながら、微笑ましくそれを眺めておりましのやの。



 あの人間様、しゅごい……。


 何か転がるもののついたお靴をすべらせて、もんのすごいスピードでお走りになります。


 マオちゃまはそれを追いかけて、追いつけないものなので、ついに動物みたいに四本足ぜんぶを使って走りはじめました。まるでチーターのようや。


 天気はとってもよくて、ぽかぽかで、あたいもとっても幸せな気分になれて、ホッとしましのやよ。


 傷ついていた心が、癒されていく──


 でも……


 山田さん……


 なぜ、来てくれなかったのやの?


 あたいとのことなんて、遊びやったの?


 あぁ……、彼のくちづけが……、アイ・ミス・ユー……。



 わかっておりますのやの。


 あたいは人妻──。

 4匹の子持ち──。


 それでも……


 猫の世界に『不倫』という言葉はありませんの。


 何匹のオスと恋をしても、誰にも責められるいわれはありませんの。




 野原狭しとお遊びになるマオちゃまと人間様の姿が──太陽様をお背になされて、あぁ、まぶし。


 きっと猫ってあんなふうに健康的でなければいけないのね……。


 あたいはただれているのですね。


 おふたりを見習うべき?


 ──いいえ。



 あたいはメスネコ。


 メスネコは、爛れているのが、いいのです。


 やのやの。


 こんな爛れがあるから、あたいは、ここまでのセクシーさを醸し出せるのです。


 やのやの。



 いいね、オトコのひとは──


 無邪気で、いつまでも子どもでいられて──


 でもたまには子育ても手伝ってほしいのやの。


 あんなふうに遊んでいる暇があったら──



 いいえ。


 あたいはあんなふうなオスネコが好きなの。


 自由に、無邪気に、お遊びなさい。


 4匹の子猫があたいの6つの乳首を吸います。


 ちゅっちゅっと吸いながら、かわいいおててで押します。

 ぐいっ、ぐいっと、押しています。



 あぁ……。


 あたいは、メスネコ。



 こんな平和な幸せも、そして爛れていて、いけない幸せも、欲しいのです。


 メスネコって欲張りなのね!



 やのやのやの……。




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― 新着の感想 ―
ミオちん、おっとなぁ~。 流石マオウを押し倒したオンナ。
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