表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも地球の支配者が猫だったら  作者: しいな ここみ
第三部 人間 vs 人間

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/129

くるくるくるにゃん(マオ視点)

『くるくるくるくる……』

 ぼくにゃん、一日じゅう踊って過ごしてます。

『くるにゃん! みっちゃんたちが、くるにゃん! 歓迎の準備をするのだ、者ども! にゃん』


『そうか。ハナユカさんも来るんだな?』

 ビキにゃんもわくわくしはじめてくれました。

『ところでどうやって知ったんだ、人間さまたちが来ること? トンビにでも教えてもらったのか?』


『何を言ってるにゃ! こないだ花占いで出た時、ビキにゃんも一緒にいたではないかいな』


『あれかよ! オカルトじゃねぇか!』


『ぼくにゃんの占いはよく当たるのにゃ! 絶対に当たるのにゃ! 的中率は40%を誇る』


『半分以上はずれじゃねぇか!』


 ぼくにゃんとビキにゃんが日だまりでもつれ合い、じゃれ合いをしながらそんなお喋りをしていると、空からブリキにゃんが降りてきました。そしてぼくらに言う。


『おい、おまえら。武器を用意しとけ』


『は? なんで?』

 ビキにゃんがぼくにゃんと抱き合ったまま、聞きました。


『人間が来る。今、空から確認してきた。なんだか初めて見るメスが三匹とガキが一匹も混じってる。油断すんじゃねェぞ? やられる前にやんぞ』


『ほら来たーーー!』


『うわっ!? マオ、いきなり大声あげて飛び上がんじゃねェ!』


『歓迎の準備をするのにゃー! なんにもないけど準備をするのにゃー! あっ、そうだ。メロン畑でみんなでお昼寝をするのにゃ!』


『ぜんぶ人間さまたちが来てからでもできるじゃねーか』

 ビキにゃんがツッコんでくれました。

『それにしても本当に来るとはな……。マオの占いってすげぇな。さすがだな』


『待ちきれないにゃ! ぼくどうしたらいいかにゃ!』

 駆け回りながら、思いつきました。

『あっ! そうにゃ! ブリキにゃん! その背中の飛ぶやつをぼくに貸すにゃ!』


『飛んで見に行くのか? やめとけ。コイツは扱いが難しいぜ?』


『いいから貸すにゃ!』

 ぼくは無理やりブリキにゃんの背中からそれを奪い取りました。

『飛ぶにゃ!』

 背中に背負ってみたけどどうやったら飛ぶのかわかりませんでした。


 ブリキにゃんが教えてくれました。

『そこのボタンを押すだけだ。だが、気をつけろ。まっすぐジェット噴射を飛ぶ反対方向に向けねェとすぐに落ちんぞ。墜落して地面に頭からぶつかったら今以上のバカになんぞ。おまえは地球の支配者なんだから死──』


 ブリキにゃんのお喋りなんかどうでもよかったのでぼくはボタンとかいうそれを押しました。


 シュゴー!


 すごいすごい!


 猫が空を飛ぶ!


 キーン!


 キーン! キーン!


 キンキンキンキンキンキンキンキンキーン!


 すごい勢いで! どこへ飛んで行くのかわからない!


 どこへ飛んで行けばいいのかわかりません!


 怖い!


 しっぽが爆発しそうに膨れあがって、耳が真後ろを向いたけど、飛んで行くしかないにゃ!


『マオー!』

 下からビキにゃんが心配で死にそうな声を出してくれましたけどぼくにゃん本人はたぶんもっと心配で不安で死にそうにゃ!


 しまった止まり方を聞いとけばよかったです。


 広いお空をぼくは飛んで行くしかありませんでした。


 どこまでも……


 どこまでにゃ!?



 どこまでにゃーーー!? 止めてーーー!!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで 回って回って回って回る どこまでもどこまでも……! 動力はなんだろう? 何時まで保つのかなあ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ