みっちゃんシック (マオ視点)
『はぁ〜……』
今日もぼくにゃん、おひさまぼっこをしながら、一日じゅう、ためいきをこぼして過ごしてます。
『はあぁ〜……』
ミオにゃんが子猫たちにミルクをあげながら、そんなぼくに話しかけてきます。
『マオちゃま、少しはこの子たちをかわいがってあげてほしいのやの。マオちゃまとあたいの愛の結晶やのやのよ』
『はぁ〜……』
お尻をフリフリしながらミオにゃんのおっぱいに群がる4匹の子猫たち。生後1か月の子猫たちはかわいいにゃ。
でも、ぼくにゃん、それどころじゃないのにゃ。
『みっちゃんとあたいらと、どちらが大事なのやの』
ミオにゃんにそう聞かれて、ぼくは即答してしまいました。
『みっちゃんに会いたいにゃ……』
あれから3ヶ月が経ちました。
みっちゃんたちは、あれから一度も遊びに来てくれません。
ミオにゃんが4匹の子どもを産んで、ぼくにゃん幸せなはず。
でも、満たされない。
せっかく人間様たちと仲良くなれたのに、遊べないにゃんて!
『おーい、マオ!』
ビキにゃんが遊びに来てくれました。
『柳の枝に猫パンチでもしに行かねーか?』
『気分じゃないにゃ……』
断りました。
『ぼくにゃん、人間様たちと刺激的なゲームがしたいのにゃ』
『このひと、最近おかしいのやのなよ』
ミオにゃんがビキにゃんに言います。
『カモミールの花びらをちぎって、毎日なんだかブツブツいってますの』
そう言われたので、今日もぼくにゃんカモミールの花で占います。
『来る……来ない……』
『マオがおかしいのは今に始まったことじゃねーけど……こりゃ重症だな』
ビキにゃんがほくの悪口を言っています。
そしてぼくのことはすぐに無視して、4匹の子猫たちに話しかけました。
『ようっ! 大きくなったな、イチもニイもサンもシイも、みんなかわいいなっ』
『それはマオちゃまとミオの子どもですもの。おかわいくないわけがありませんのやの』
『来る……来ない……』
ぼくは構わず花占いを続けます。
『来る……来ない……』
今まで何百回やったか知れない花占いです。
『来る……来ない……』
ぼくにゃんの花占いはよく当たるのです。
『来る……来ない……』
その証拠に、今までずーっと「来ない」で終わっていたのです。
『来る……』
花びらがなくなりました。
『……うにゃっ!?』
ぼくが奇声を発したのでビキにゃんがびくっとして振り返りました。
『ど……、どうした!? マオ』
『来るにゃ!』
ぼくは花びらを撒き散らして踊りはじめました。
『やっと来るにゃーーー!!』




