圧倒的の科学力差なのです!(めきるたん視点)
検索結果によると、この地球という星の科学力は、我々ぽるたん星人よりも100年は遅れていた。
多言語を即時に同時通訳できるメカニズムも、一瞬にしてコンビニエンスストアを建てられるコンビニ・ボムも、この星の人間ではとてもではないが作れるしろものではない。
しかも人口がやたら少ないときている。
この侵略戦争、楽勝だ。
ネコちゃんは数が多いが、もちろん恐れるに足りない。
東のほうにそこそこ高度な科学施設はあるようだが、所詮我々より100年遅れている。
第一次世界大戦の兵器と令和の最新式兵器とで戦うようなものだ。もちろんこれは地球の人間にわかりやすいように検索してのたとえだが。
「それでは攻撃を開始しますね」
私が言うと、X様がペロッと舌を出しながらうなずいた。
「ウン、やっちゃって?」
「ぽるぽるぽる」
X様の兄上のぽるたんZ様もうなずいた。
「コンビニ・ボム、発射!」
ぼむっ!
飛行船から発射されたコンクリートの弾が飛んでいく。
地上めがけて飛んでいく。
それを見た地球人と猫どもが指をさして騒ぎだす。
どーん!
あっという間に地上に緑色のコンビニエンスストアが一軒建った。
まだ中に従業員も商品もないが、我々が制圧した後に続々と移住してくる同胞たちがここで商売をはじめることとなる。 この星の人間を奴隷として無償で働かせるのもいいな。
「ヒャッホー!」
X様がうかれた声をおあげになる。
「早くコンビニのフライドチキン食べたいっ!」
X様はそれが大好物だ。
私はうっとりと妄想をした。
我々3人の名前は、ぽるたん星の伝説として残ることになるだろう。
私たちがこの星を見つけ、開拓し、開発し、資源を横取りし、母星から住民を導き、ここが第二の我々の母星となるのだ。
ふふふ……。この私、めるたん・ぽるぽる・めきるたんの名前が、全星ニュースで知れ渡り、遠い未来の教科書に載ることとなるのだ。
カ・イ・カ・ン──
私はコンビニ・ボムを次々と撃ちまくりながら、歯に仕込んだマイクで地上にアナウンスした。
【降参しなさい! 大人しく手を上げれば奴隷として優遇します!】
母星の大地は枯れ果て、空は落ちてきかかっていたが、我々の未来はあかるい。
この星で新たな文明生活をはじめるのだ。




