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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
391/421

◆◆◆◆ 9-91 鶴風の戦い(40) ◆◆◆◆

【 セイレン 】

「申し遅れましたが、私はセイレン、〈幻聖魔君げんせいまくんアイ・セイレン。こちらは……」


【 ホノカナ 】

「あ――〈人侠烈聖じんきょうれっせい〉、リン・ホノカナと申しますっ……」


【 セイレン 】

「ぜひ、千載竜仙せんたいりゅうせんさまに会わせていただけないでしょうかっ? お願いしたいことがあるので!」


【 暗庭君あんていくん 】

「あァ? ……あ~……そりゃア、無理だな」


【 セイレン 】

「そこをなんとかっ……! 勝手に入り込んだ無礼はお詫びしますので! ほら、ホノカナ殿も!」


【 ホノカナ 】

「あっ、はい、すみませんでしたっ……!」


 二人してペコペコと頼み込む。


【 暗庭君 】

「……俺に頼まれても困るんだよなァ」


【 暗庭君 】

「師父は……その、なんというか……あまり人付き合いが得意じゃないんだよ」


【 暗庭君 】

「なんせ俺だって、直接会ったのはもう十年くらい前だからな」


【 ホノカナ 】

「ええっ!? で、でも、お弟子さんなんですよね……? ……怖がられてるんじゃ?」


【 暗庭君 】

「別に怖がられたり、嫌われてるわけじゃねェからな!?」


【 暗庭君 】

「日記に質問とかを書いておくと、いつの間にか返事があったりするんだよッ……まあ、そういう御方なんだ」


【 セイレン 】

「はぁあ……孤高の人、とは聞いていましたが、そこまでとは……」


【 暗庭君 】

「てめェら、地上に出たいんだろ? それくらいなら、俺が出してやるよ」


【 ホノカナ 】

「ほ、本当ですかっ? ありがとうございます!」


 見かけや口調によらず親切な暗庭君の言葉に、ホノカナは胸を撫でおろす。


【 ホノカナ 】

「よかったですね、セイレンさん!」


【 セイレン 】

「う~ん、それはありがたいのですが……この先のことを考えると……」


【 ホノカナ 】

「…………?」


【 セイレン 】

「仕方ありません――暗庭君どの! 少し、騒がしくしてしまいますが……お許しをっ!」


【 暗庭君 】

「はァ!? てめェ、なにをッ……」


【 ホノカナ 】

「ちょっ、セイレンさん……!?」


 なんだか妙にいつもより冴えている、と思ったが、とんだ見込み違いだったのかもしれない……!


【 セイレン 】

「はぁあぁぁぁっ……!」


 ……ゴゴゴゴ……!!


 杖を手にしたセイレンの周囲に、見えざる力が集まっていく……!


【 ホノカナ 】

「セイレンさん!? な、なにしてるんですかっ!?」


 いつものセイレンとはまるで異質な気配に、ホノカナは戸惑いを隠せない。


【 暗庭君 】

「ちいッ……こいつ、何考えてやがるッ!?」


 身構える暗庭君。


【 セイレン 】

「なに、千載竜仙さまにお出ましいただくためですともっ……えいっ!」


 と、セイレンが地面を叩くと、


 ――ドドッ! ドドドォッ……!


【 ホノカナ 】

「…………っ!?」


【 暗庭君 】

「っ! こいつはっ……」


【 土の巨人 】

『オオオオオオ……!!』


 軽く五宙丈ちゅうじょう(約15メートル)はあろうかという土製の巨人が、出現した……!


【 セイレン 】

「申し訳ないが――ひと暴れさせていただきましょうっ!」


【 土の巨人 】

『グォオオオオオオ……!!』


 手の上に乗ったセイレンが告げるや、巨人は身を震わせながら咆哮する。


【 暗庭君 】

「ちッ、ふざけたヤツめッ……! 好き勝手にさせるかよッ!」


 怒り心頭の暗庭君が、術を放たんとする――


【 ホノカナ 】

「あ、あわわっ……!」


【 セイレン 】

「これも、陛下のためっ……!」


【 暗庭君 】

「やらせるかよッ……無礼者がッ!」


【 ホノカナ 】

「――やっ、やめてくださ~~いっ!!」


 ホノカナが宝剣を抜き放ち、頭上に掲げる――すると、


 ――カカッ!!


【 ホノカナ 】

「…………わっ!?」


【 セイレン 】

「……おわぁっ!?」


【 暗庭君 】

「ぐっ……!?」


 強烈な光が、周囲を包み込む……!

 と、それに呼応するように、


【 ???? 】

『そ――そんなに――光らずとも――いいでしょう――』


 ……ボコォオッ!


 地面が崩れて、何者かが姿を現す――

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