◆◆◆◆ 7-10 裁定 ◆◆◆◆
【 宝玲山の将 】
「白銀夜叉殿っ、それはさすがにっ――」
【 宝玲山の将 】
「そんな恥知らずな連中のために、そこまですることはねえでしょう!」
【 宝玲山の将 】
「そうとも! あなた以外に、重責を担える者などっ……!」
こぞって止めにかかる幹部たち。
それも道理で、副頭目といえば文字通り頭目に継ぐ地位に他ならない。
頭目たる天侠大聖が不在のおりは、すべてを取り仕切る役目を持つ。
その座を下りる――というのだから、まさしく一大事ではあった。
【 バイシ 】
「ありがとうよ。だが、これもケジメってもんだ。ナアナアで済ませていい話じゃない」
【 バイシ 】
「こいつらは、確かにろくでもない連中ではあるが……」
と、咎人たちを一瞥して。
【 バイシ 】
「――それでも、縁あって同志になった仲だ。もうちょっとマシな死に場所をくれてやりたいのさ」
【 一同 】
「――――っ」
こう言われては、反対する者も口をつぐむ他はない。
【 ヨスガ 】
「……不服のある者はいるか?」
あらためて将兵へと呼びかけるも、異論の声をあげる者はなかった。
ヨスガは頷くと、狼藉者たちに向かって、
【 ヨスガ 】
「……次は、ない。しかと心得よ」
【 無頼漢たち 】
「はっ、ははぁっ……!」
裁定が下り、縄を解かれて平伏する下手人たち。
【 処刑人 】
「…………」
一方、出番のなくなった処刑人は、無言のまま、踵を返して馬車へと戻っていく。
【 ホノカナ 】
「…………っ」
ホノカナはその鬼気迫る雰囲気に気圧されつつ、
【 ホノカナ 】
(あの人……どこかで、会ったような?)
その後ろ姿に、どこか見覚えがある気がするのだった。
【 宝玲山の将 】
「さて――湿っぽい話はもう終わりだろ? 酒だ、酒っ!」
【 宝玲山の将 】
「おう! 肴を頼むぜ、大将っ!」
【 六本の腕を持つ調理人 】
「ホホホ……お任せを……」
【 ヨスガ 】
「待て待てっ! 待ていっ! まだ話は終わっておらんっ! 隙あらば呑もうとするなっ!」
放っておくと、勝手に宴会を始めかねない連中なのであった。
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