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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
214/421

◆◆◆◆ 7-10 裁定 ◆◆◆◆

【 宝玲山の将 】

「白銀夜叉殿っ、それはさすがにっ――」


【 宝玲山の将 】

「そんな恥知らずな連中のために、そこまですることはねえでしょう!」


【 宝玲山の将 】

「そうとも! あなた以外に、重責を担える者などっ……!」


 こぞって止めにかかる幹部たち。

 それも道理で、副頭目といえば文字通り頭目に継ぐ地位に他ならない。

 頭目たる天侠大聖ヨスガが不在のおりは、すべてを取り仕切る役目を持つ。

 その座を下りる――というのだから、まさしく一大事ではあった。


【 バイシ 】

「ありがとうよ。だが、これもケジメってもんだ。ナアナアで済ませていい話じゃない」


【 バイシ 】

「こいつらは、確かにろくでもない連中ではあるが……」


 と、咎人とがびとたちを一瞥いちべつして。


【 バイシ 】

「――それでも、縁あって同志になった仲だ。もうちょっとマシな死に場所をくれてやりたいのさ」


【 一同 】

「――――っ」


 こう言われては、反対する者も口をつぐむ他はない。


【 ヨスガ 】

「……不服のある者はいるか?」


 あらためて将兵へと呼びかけるも、異論の声をあげる者はなかった。

 ヨスガは頷くと、狼藉者たちに向かって、


【 ヨスガ 】

「……次は、ない。しかと心得よ」


【 無頼漢たち 】

「はっ、ははぁっ……!」


 裁定が下り、縄を解かれて平伏する下手人たち。


【 処刑人 】

「…………」


 一方、出番のなくなった処刑人は、無言のまま、踵を返して馬車へと戻っていく。


【 ホノカナ 】

「…………っ」


 ホノカナはその鬼気迫る雰囲気に気圧されつつ、


【 ホノカナ 】

(あの人……どこかで、会ったような?)


 その後ろ姿に、どこか見覚えがある気がするのだった。




【 宝玲山の将 】

「さて――湿っぽい話はもう終わりだろ? 酒だ、酒っ!」


【 宝玲山の将 】

「おう! さかなを頼むぜ、大将っ!」


【 六本の腕を持つ調理人 】

「ホホホ……お任せを……」


【 ヨスガ 】

「待て待てっ! 待ていっ! まだ話は終わっておらんっ! 隙あらば呑もうとするなっ!」


 放っておくと、勝手に宴会を始めかねない連中なのであった。

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