◆◆◆◆ 6-97 燎氏の変(83) ◆◆◆◆
【 ランブ 】
「陛下っ……!?」
侍衛長に抱えられて現れたヨスガに、駆け寄るランブ。
【 侍衛長 】
「も、申し訳ありません、お止めしたのですがっ……」
【 ホノカナ 】
「陛下っ!? どうして、ここにっ……!?」
【 ヨスガ 】
「ふん、この状況に至って、おめおめと隠れてもおれまい……!」
【 ミズキ 】
「……っ、それより、同行するというのはっ?」
【 ヨスガ 】
「言葉の通りだ。魂魄が不安定な方が良いというならば、我こそ適任ではないかっ? どうだ、副軍師補佐よ!」
【 ギョクレン 】
「おお――確かに、すこぶる見事な不安定さでございます、大首領! まるで一度死んでから生き返ったかのごとく!」
【 カズサ 】
「あなたね、もう少し言い方というものがあるでしょう!?」
【 ヨスガ 】
「諦めよ、こやつはこういう人間だ……! とにかく、適材適所というやつだな!」
【 エキセン 】
「し、しかしっ……陛下、みずからとは――」
【 ヨスガ 】
「危険は承知だが、是非もあるまい! それとも、こやつひとりに、すべてを託すかっ?」
【 カズサ 】
「そっ、それはかなり、いえ、とてつもなく不安ですけれど、でもっ……!」
【 ヨスガ 】
「のんびりしてはおれん――そちらも長くはもたぬのであろう、副軍師補佐!」
【 ギョクレン 】
「は――さすがに、これだけのデカブツとなりますと……そう長くは抑えていられないでございますね……!」
【 馬のような生き物 】
「メエエエエエ~~……」
ギョクレンの放ち続けている雷の勢いも、徐々に弱くなってきている。
【 ヨスガ 】
「ならば迷うことはない――そなた、いけるかっ?」
ヨスガの問いに、
【 ホノカナ 】
「……はいっ! お供します……!」
ホノカナは即答した。
【 ミズキ 】
「陛下――」
【 ヨスガ 】
「…………」
すがるような目を向けるミズキに、小さく頷いてみせる。
【 ヨスガ 】
「では――やってくれ、副軍師補佐っ!」
【 ギョクレン 】
「はっ、それでは、魂魄を分離しますので、床に寝そべってほしいのでございます!」
【 ホノカナ 】
「ええとっ、仰向けとうつぶせ、どっちが……!?」
【 ヨスガ 】
「ええいっ、どっちでもよいわっ……ゆくぞっ!」
【 ホノカナ 】
「――ひゃうぅっ!?」
【 セイレン 】
「ぐえっへええっ!?」
ヨスガがホノカナを押し倒した拍子に、あわれセイレンが下敷きとなる。
【 ギョクレン 】
「おお! 師父もご同行なさるのでございますね! どうかご武運を――“放”!!」
ギョクレンが印を結び、〈同心断金〉の術が発動する――
【 セイレン 】
「ちょっ、ちょっと待っ、いや、私はぁぁーっ!?」
【 ヨスガ 】
「む……これは――」
【 ホノカナ 】
「………………っ!」
意識が遠のき、深い深いところへ、沈んでゆく――
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