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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
177/421

◆◆◆◆ 6-82 燎氏の変(68) ◆◆◆◆

 ――ズバァッ!!


【 投降派の守備兵 】

「がぁッ……!?」


 投降兵の一人が、血煙をあげて倒れた。


【 他の投降派の守備兵 】

「な、何だっ……!?」


【 ???? 】

「心くじけて、逃げるならそれも良し――」


【 ???? 】

「――でも、裏切りは許さないわっ!」


 シュバッ! ザシュウッ!!


【 他の投降派の守備兵 】

「ぐあぁっ!?」


 戸惑う造反者たちに向けて、血塗られた刃がひらめく。


【 他の投降派の守備兵 】

「ぐぇっ……!?」


 左右二刀を巧みに用いて、たちまち投降派の兵を血祭りにあげていく神速の剣士。


【 守備隊長 】

「むうっ!? あれはっ……」


 そして剣士は、投降派を一掃した余勢をかって、跳ねるように城壁へと馳せのぼってくると、


【 ???? 】

「鉄虎門を守る勇士たち! もう心配は無用よっ! なぜならば――」


 夜気を震わすような、甲高い大音声を放つ。


【 ???? 】

「なぜならば! このわたしが――」


 ――ドシュッ! バシュウッ!!


【 叛乱兵たち 】

「ぐぁっ……!?」


 迫ってきた二人の叛徒を同時に切り伏せ、門から蹴り落としてみせた双剣の使い手、それは誰かと見れば――


【 カズサ 】

「――このわたしが! 人呼んで〈緋閃剣ひせんけん〉が! かの〈緋翔閃女ひしょうせんにょ〉様の末裔にして、陛下の無二の忠臣たるこのわたし! セン・カズサが! 駆けつけたのだからっ!!」


【 守備兵 】

「おお――セン家のご令嬢っ!」


【 守備兵 】

緋閃剣ひせんけんのお出ましか……! こいつは、無様は見せられん!」


 カズサの勇名を知る兵たちが、大いに奮い立つ。


【 カズサ 】

「おーーーーっほっほっほ! その意気や良し! さぁ、わたしに続きなさいっ!!」


【 守備兵 】

「おおおっ……!!」


 カズサの激励に応え、見るからに守備兵の士気が高まり、戦場の空気が一変したのだった――

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