◆◆◆◆ 6-65 燎氏の変(51) ◆◆◆◆
【 セイレン 】
「私に……ごふっ、いい考えが、あります……!」
【 エキセン 】
「妙案とは……?」
【 セイレン 】
「はぁっ、はぁあっ……あの化け物に、ありったけの爆弾を、食らわせてやって、くださいっ……!」
【 エキセン 】
「だが、それでは――」
【 セイレン 】
「ええ、私たちも、巻き込まれる……しかし、そうは、させません――私が必ず、防いで、みせましょう……!」
【 エキセン 】
「しかし、その深手では……」
と、言葉を交わすあいだに。
【 蟲のような異形 】
「グオオオオ……!!」
【 エキセン 】
「……! あれは――」
絡繰りの姿が、変形していた。
手足を折りたたみ、ダンゴムシのごとく丸まっている。
さしづめ、防御特化の形態というところか。
――ドンッ! ドドドォッ!!
爆発もなんのその、そのまま回転しながら突き進んでくる……!
【 エキセン 】
「ちいっ……!」
泡爆弾の結界を突き破り、猛然と迫ってくる絡繰り。
【 セイレン 】
「エキセン……殿っ!」
【 エキセン 】
「任せて……いいなっ……!?」
【 セイレン 】
「ええっ……!」
【 蟲のような異形 】
「ガアアアアッ……!!」
二人を押しつぶさんと、異形が回転しながらまっしぐらに迫ってくる……!
【 エキセン 】
「ならばっ……!」
懐に両手を忍ばせたエキセンが、二本の矢筒を取り出す。
【 エキセン 】
「木っ端――」
【 エキセン 】
「――微塵となれ……!」
左右の腰に構えた筒から矢が飛び出し、絡繰りに直撃する――
――ズッドオオオオオオオォンッ!!
【 蟲のような異形 】
「ギイイィアアアアアアアアアッッッ!?」
激烈な威力の火薬が炸裂し、絡繰りを爆砕する――
と、同時に。
【 セイレン 】
「おおおおおっ……!」
手負いのセイレンが、エキセンの前に飛び出し、印を結ぶ。
爆風と衝撃破が、迫る――
【 セイレン 】
「“万物”は“流転”し――」
吼えるように、呪を放つセイレン。
【 セイレン 】
「――――ここに“収束”するっ……!!」
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