表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
148/421

◆◆◆◆ 6-53 燎氏の変(39) ◆◆◆◆

【 ホノカナ 】

「……っ? あれっ……誰かに、なにか言われたような……? あれぇ……?」


【 ヨスガ 】

「――待て。この足音は――」


 コツ……コツ……


【 侍衛長 】

「まさか……!? 扉は厳重に封鎖しているはずっ……!」


【 ヨスガ 】

「〈千里行〉を使って、直接刺客を送り込んできたか――来るぞ、備えよ!」


【 侍衛長 】

「はっ! 集合せよ、陛下をお守りする!」


【 侍衛たち 】

「ははっ!」


 命令一下、侍衛たちが集結し、天子を守るように陣を布く。


【 ホノカナ 】

「…………っ」


 ホノカナもヨスガの御佩刀みはかせを預かり、彼女に寄り添う。

 そして、足音の主たちが姿を見せた。


【 長身の方士 】

「用があるのは――陛下のみ。他の者は――」


【 小柄な方士 】

「ご退場、願いましょう……ククッ!!」


【 ホノカナ 】

(あれって――まさか!?)


 『さん』と『ろく』の覆面をつけた方士が、悠然とした足取りで歩み寄ってくる。

 すなわち、〈十二佳仙〉の〈さんの仙〉、そして〈ろくの仙〉であった。


【 ホノカナ 】

(十二佳仙……!? 直接やってくるなんて!)


 十二佳仙は、その御大層な名にもかかわらず、ろくに方術も使えないエセ方士ぞろい――というのが定説である。

 まさか、こうして自分たちから堂々と乗り込んでくるとは、想像もしていなかった。


【 侍衛長 】

「おのれっ、十二賊ふぜいがっ! ぶしつけにも陛下の御前へ乗り込んでくるとは、言語道断っ!!」


 怒りに駆られた侍衛長が、左右の鉞を手に、方士たちへまっしぐらに突き進む――


【 ヨスガ 】

「――待て、〈コウ〉!」


 ヨスガの声が、届く前に。


【 侍衛長 】

「ランブ様に代わって――成敗するっ!」


【 さんの仙 】

「ふ――」


 ――バキィッ!!


【 侍衛長 】

「ぐぁっ!?」


 長身の方士が放った蹴りで、侍衛長は軽々と吹き飛ばされ、床をゴロゴロと転がる。


【 侍衛たち 】

「なっ……!?」


【 ホノカナ 】

「えええっ!?」


 まさかの光景に、絶句する一同。

 侍衛長が見掛け倒し……で、あるはずもなく。


【 さんの仙 】

「ふ……ふふ。なるべく殺すな、と言われてはおりますが――抵抗するなら、是非もなし……」


【 ろくの仙 】

「ククッ……クククッ……!」


【 ヨスガ 】

「ほう――十二佳仙にも、少しは骨のある輩がいたようだな」


【 ホノカナ 】

「そんなかっこいいセリフ言ってる場合ですか~~っ!?」

ブックマーク、ご感想、ご評価いただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ