表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
141/421

◆◆◆◆ 6-46 燎氏の変(32) ◆◆◆◆

 けたたましい声とともに捧武庁ほうぶちょうに入ってきたのは、一人の方士であった。


【 ショウキ 】

「よお、副軍師殿。さっきはご苦労さんだったな」


【 副軍師 】

「いやいや、この弔いの采配という大役を務められるのは地母会にあってもこの私だけでありましょう! メイ殿の大恩を想い、このアイ・セイレン、懸命に祈らせていただきましたとも、ええ!」


【 ヒエン 】

「あいかわらずよく舌が回る奴だな……」


【 ジンマ 】

「……副軍師、助かった。礼を言う」


【 セイレン 】

「いえいえ! ところで、ちと皆さまにお話がありまして、まかりこした次第!」


【 ショウキ 】

「と、いうと?」


【 セイレン 】

「はい、私、これにておいとましようかと!」


【 ショウキ 】

「…………っ」


【 ヒエン 】

「おい、仲間を抜けるってことか? そりゃあ……」


【 セイレン 】

「なるほど、皆さまが私を惜しむのは道理っ! この天下の大才、無双の方士がいなくなるのは、さぞ痛手ではありましょう!」


【 ショウキ 】

「…………」


【 ヒエン 】

「…………」


【 ジンマ 】

「…………」


【 セイレン 】

「その沈黙の意味は少し気になりますが、ともあれ、これもやむなし! そもそも、メイ殿なき今、地母会は実質的にもはや死にたいでありましょう?」


【 ショウキ 】

「――っ、そりゃア……」


【 ヒエン 】

「……言いにくいことをはっきり言いやがる」


【 セイレン 】

「であれば、おのおの、自分たちの道を選ぶのが道理というもの! 違いますか?」


【 ジンマ 】

「……ふむ……」


【 セイレン 】

「というわけで、名残惜しくはありますが、これにておさらばです! 縁があれば、またお会いすることもありましょう!」


【 セイレン 】

「そう、目を閉じれば、数々の思い出が走馬灯のように……!」


【 セイレン 】

「…………」


【 セイレン 】

「……………………」


【 ショウキ 】

「……どうしたんだい?」


【 セイレン 】

「……いや、ここは引き留めるところではないんですか!? 私ですよ! このセイレンが離れようとしてるんですよ! 引き留めるのが当然なのでは!?」


【 ヒエン 】

「前から思ってたけどよ……コイツ、めんどくせぇヤツだな」


【 ショウキ 】

「奇遇だね。あたしも薄々思ってたよ」


【 ジンマ 】

「お主が自分で言った通り、自分の道は自分で選ぶもの。ならば、それを止める道理はない」


【 セイレン 】

「……そ、そうですか。まあ別に、引き留めてほしいわけではありませんが! ねっ!」


【 ショウキ 】

「めちゃくちゃ引き留められたがってるじゃアないか……」

ブックマーク、ご感想、ご評価いただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ