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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
132/421

◆◆◆◆ 6-37 燎氏の変(23) ◆◆◆◆

【 セイジュ 】

「ほう! 噂に聞く紅雪華どのか……! ご高名はかねてから聞いておりますよ、セツ家のご令嬢」


【 ミズキ 】

「それはどうも」


【 セイジュ 】

「こんなところでなければ、茶でも飲みながらゆっくりと語り合いたいけれど、そうもいくまいね」


【 ミズキ 】

「ええ、あなたがたと無駄話をする気はありません。たとえ時間があったとしてもですが」


【 ハナオ 】

「は……? 盟主のお誘いを……断るとでも……? 手足を一本ずつヘシ折られたいの……?」


【 セイジュ 】

「うん、話がややこしくなるから、混ぜっ返さないでくれるかな!」


【 ハナオ 】

「……申し訳ありません」


 表情は変えずとも、少しシュンとした様子のハナオ。


【 ミズキ 】

「……狙うは、キョ丞相じょうしょうの首一つ。そうでしょ?」


【 セイジュ 】

「うん、まあ、そういうことになるねぇ」


 セイジュはうなずいてみせる。


【 セイジュ 】

「正直、こういうやり方はあんまり好きじゃないんだよ。丞相ひとりを討ったところで、世の乱れが正されるわけじゃないからね。でも……」


【 ミズキ 】

「……さすがに放置できない、と?」


【 セイジュ 】

「そうだね。ものごとには、限度というものがある」


 セイジュは顔をしかめる。


【 セイジュ 】

「ここ最近の丞相の非道は、目に余るものがあるからね。もともと横暴な男ではあったけど……常軌を逸しているよ」


【 ミズキ 】

「……それは、確かに」


 近年、キョ丞相は大弾圧を行って次々と官民を処刑するなど、恐怖政治に手を染めていた。

 強権的なやり方は以前からのものだが、ここ最近の残酷さは度が過ぎている。


【 セイジュ 】

「丞相を討ち取ったとしても、他の誰かが権力を握るだけ……ではあるにせよ、今よりはマシだろうからね。……おそらく、は」


【 ミズキ 】

「それが、あなたがたの掲げる“義”とやらですか」


【 セイジュ 】

「私たちの世界においては、そうなるね。そちらの方では、別の理屈があるのだろうけど」


 セイジュたち遊侠の徒と、ミズキのような体制側の人間では、おのずと価値観が異なる。


【 ミズキ 】

「……どうあれ、丞相は斬らねばなりません」


【 セイジュ 】

「ふむ、丞相さえいなくなれば、この大乱も鎮まり……セツ氏の罪も赦される。そういうところか。ちなみに、それは貴方自身の考えかな、それとも誰かに託されたのかな?」


【 ミズキ 】

「……細かい事情など、どうでもいいことでしょう?」


【 セイジュ 】

「まあ、それもそうだ。せっかくこうして同じ敵と対峙している以上、同盟といこうじゃないか」


【 ミズキ 】

「……いいでしょう。私ひとりでもやれますが……少しでも確実性は増しておきたいので」


【 セイジュ 】

「はは、大した自信だ」


【 ミズキ 】

「足手まといになるようなら、置いていきますから」


【 ハナオ 】

「盟主……やはりこの小生意気な娘……四肢をネジ切ってやっても?」


【 ミズキ 】

「は? やれるとでも?」


 ハナオとミズキが見えざる火花をバチバチと散らす。


【 セイジュ 】

「だからさあ、ケンカ売ったり買ったりしないでくれる!?」


【 ミズキ 】

「……コホン。それで? なにか、侵入のための妙策があるのでしょうね」


【 セイジュ 】

「まあね。私にはいろんな特技をもった仲間がいるから」


 そう言って、セイジュは片目をつむってみせた。

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