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【第一部完結】薄明のエンプレス~大宙帝国興亡記~  作者: おおがみ陣矢
第一部 「落華流帝」編
129/421

◆◆◆◆ 6-34 燎氏の変(20) ◆◆◆◆

 ミズキによる不可視ふかしの一撃を避けるためか、互いに距離を取りつつ、徐々に包囲を狭めてくる刺客たち。


【 ミズキ 】

(一斉に仕掛けてくる? いや、これは――)


【 左の刺客 】

「はぁあっ!」


【 右の刺客 】

「おおおっ!」


 左右から、一人ずつの刺客が突き進んでくる。


【 ミズキ 】

「――はっ!」


 両手を広げ、気合とともに空を撃つミズキ。


【 左の刺客 】

「ぐっ!?」


【 右の刺客 】

「ぎゃっ!?」


 断末魔の声とともに、両者が倒れる――と同時に。


【 他の刺客たち 】

「おおおおおおっ!」


 一気に距離を詰めた刺客たちの刃が、体勢を崩したミズキに迫る。

 犠牲を前提とした、まさに必死にして必殺の陣――のはずであった。


【 ミズキ 】

「はぁあっ!」


 ――ブォンッ!!


 気合とともに、ミズキが腰をひねり、空を蹴る――と同時に。


【 正面の刺客 】

「――ぐあっ!?」


【 斜め右の刺客 】

「――げっ……!」


【 斜め左の刺客 】

「――うぐうっ!?」


 立て続けに、刺客たちがその場に崩れ落ちていった。


【 刺客の頭目 】

「なっ……!?」


 刺客の頭目は、信じがたい光景に絶句する。


【 ミズキ 】

「手からしか出せない……などと言った覚えはありませんよ」


 ミズキは薄く笑う。

 その凄みは、もはや女官長のそれではなく、かつて紅雪華と恐れられた剣客そのものである。


【 刺客の頭目 】

「ぐっ、ぐぬぬっ……!」


【 ミズキ 】

(…………)


 冷たい笑顔で刺客たちを見据えつつ、ミズキは内心で危機感を募らせる。


【 ミズキ 】

(十二賊以外の勢力による襲撃……それはある程度、想定していたことではあった)


【 ミズキ 】

(しかし、このただならぬ気配……警戒すべきは、この者たちだけではないような……?)


【 ミズキ 】

(! そうか、あのときと同じ……!)


 ミズキは、かつて味わった鮮烈な感覚を思い起こす。


 そう、あれは忘れもしない、十五年前のあの日――

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