私のメガネ
当たり前に側にあるもの。その大切さに失う前に気づきたかったです。
そして、大切にできなかったことへの謝罪の気持ちです。
私のメガネ。
メガネがなきゃ、20センチ先も見えない。
なのに、どこへいっちゃったの?
銀のフレームの私のメガネ。
大事にしなかったから、どこかへ行っちゃったの?
ソファに寝てスマホを見る時もはずさなかったから、フレームがゆがんでしまっていた。
それがいやでいなくなっちゃったの?
ごめんね。
ほんとうにごめん。
もう、そんなことしない。
大切にするよ。
だから、出てきて。
何度も何度もレンズがはずれて修理しにいった。
もうけっこうがたがただった。
「大切にしてあげてください」って、店員さんにも言われていたのに。
いつのまにか、あなたがいるのが当たり前になって、扱いがざつになっていた。
失くしてから、気づくなんて。
わたしのばかばかばか。
私のメガネ。
もうこんな過ちはしない。
新しいメガネは、慣れになんかに負けないで大切にしたい。
あなたから教わったこと。
人は経験動物だね。
今も我が家のどこかにいる私のメガネ。
ごめんね。本当にごめん。
あなたを大切にできなかった私でごめん。
あなたの命を粗末にしてしまったことを許してください。
本当にごめんね。
お読みいただき、ありがとうございます。
いつか童話にしたいです。