8話
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『勇者』の認定試験を無事に終えた僕とサラは無事に揃って合格することが出来た。
ただものすごく疲れた。こんなに疲れたのは『朝霧』にいた時にやってた地獄の修行並かもしれない……。
そして舞台は再び教室のような部屋。
そこには受け付けのおねーさん、ジェイミーさんもいた。
「お疲れ様でした。お二人共これで今日から晴れて『勇者』の仲間入りです! 『勇者』となったお二人にはこれからギルドの方へ所属してもらうのですがギルドはご存じですか?」
ジェイミーさんから問われた僕は首を横に振る。ギルドという言葉自体はゲームでよくあるシステムなので知っている。僕自身ゲームはそこら辺の男子高校生と同じくらいにはやっている方だと思う。僕の認識ではギルドというのはプレイヤー同士が協力してクエストをこなすことによって効率よくそのクエストを攻略したりあるいは攻略に必要な情報を交換したりということをするチームみたいなものだと思っている。恐らく誰に聞いても遠かれ近かれ同じような認識だと思われる。だが、この世界ではどうだろうか。先程のとんでもクイズのように間違った認識でこちらの世界に伝わっている可能性も十分ありうる。
そんな首を振った僕に対し、サラは遠慮がちにジェイミーさんの問いに答える。
「確か『勇者』の方々が所属する団体……ですよね?」
「はいそうです! 詳しい説明をさせて頂くとギルドは『勇者』の方々が魔物、ひいては魔王討伐に全力を注げるようにサポートするシステムです。入るギルドによって違うのですが様々なサポート、具体的には武器やクエスト報酬などが受けられるのです。なので『勇者』の方々の得意分野に応じてギルドを選択してもらうというのが1番かと。ちなみにギルドは商会の窓口で特定の時期を除いていつでも変更できますよ」
ジェイミーさんの説明を聞くにどうやらこちらの世界でも日本と同じようなシステムで間違いはないらしい。それにある程度自由が聞くという話を聞いて楽な気持ちで決めれると少し安心する。
「へぇー、どんなギルドがあるんですか?」
存在自体は知っていたものの本職ではないサラが尋ねる。
「そのへんも説明していきますね! ギルドとしては主に4つだと思ってください。 まず騎士道を重視し勇気に溢れる人達が集まる『レッドサラマンダー』、努力を重視し誠実で勤勉な人達が集まる『ガーネットワイバーン』、学力を重視し知力に溢れた人達が集まる『カーマインリザード』、才能を重視し目的のためには手段を選ばずといった仕事人が集まる『スカーレットドラゴン』といったものがあります!」
「全部『赤い龍』なんですけどぉぉぉ!!! しかもそれどっかで聞いたことある設定!!!」
誰が考えたのかギルド名、そしてその分ける設定。ギルドと言うよりももはや魔法学校じゃないか。そして、何より予想を裏切らないこの世界の仕組み。
「そしてもし悩んでギルドが選べないという方はこのギルド分け帽子を被れば………」
「見たことあるわ!! それ僕知ってるんだけど!!!!」
僕は思いっきりボロボロの帽子をひったくり床に叩きつける。 ホント訴えられてしまえ。
僕がジェイミーさんに詰め寄って文句を言ってる横で床に惨めに転がる帽子をサラは手に取り誇りを払ってから嬉嬉として被る。
するとあの魔法使いの映画に出てくる帽子そっくりの声と口調で勝手に話し出す帽子。
「うーむ、君は自分を犠牲としてでも誰かを助けたいという優しさに溢れてるな。それなら君は……………『レッドサラマンダー』!!!」
「おー!」
頭の上に置いた帽子が勝手に喋り出し素直に感心するサラとそれに拍手するジェイミーさん。
「おー、じゃねぇーよ! ねぇ? おねーさん? あの帽子なんなの? ふざけてんのあれ?」
「ちょ、困ります! 私にも何がなにやら!!」
そんなやり取りをしてるところにサラが目をキラキラさせながら帽子を差し出す。
「スバルさん! スバルさん!これ凄いですよ!?」
「うん、すごいね。 でも僕それ知ってるんだけど。日本で見たことあるんだけど?」
「まぁそう言わずにかぶってみてくださいよ」
そう言ってサラが僕に帽子を被せようとすると、帽子は僕の頭に着地する前に大声で言い放つ。
「ス〇ザリン!!!!」
「誰がス〇ザリンだぁ!!! せめて『スカーレットドラゴン』といえやぁぁ!!」
結果として僕はサラと同じ『レッドサラマンダー』に入りました。
さて、色々あった『勇者』の登録が終わりいよいよ僕のこの世界での冒険が始まるのである。チュートリアルが長すぎたせいでダレた感は否めないが要するにここから僕の本来の仕事である『この世界の歪みを正すこと』をこの後どうにかして達成しないと僕は日本に帰れない。方法としてはその歪みの元凶たるこちらの世界に送り込まれた人間達を日本に戻すことである。ただしこれには問題がある。それは彼らがやたらめったら強い事だ。日本からの最大限の恩恵を受けた彼らを力づくでどうにかするというのは現実的ではない。恐らく返り討ちにされるだろう。
ならば問題となってる魔物をどうにかすれば良いということになるだろう。具体的に言うなら魔物及び魔王討伐である。しかし、残念ながらこちらも現実的ではない。そもそもチート持ちのニート共がやすやすと倒せない時点で僕に勝ち目があるわけが無い。僕なんか虫けらもいいとこだ。
どう考えても八方塞がりである。
ということで導き出される答えとして現時点での最善策はチート持ちニート共を説得しつつ自分も鍛え上げ魔王に挑むということだろう。