入学式③
ヤツ……海斗が消え去っていった校舎内に
私も入っていくと、靴箱に1組~8組までの、
クラス表が貼ってあった。
そこには人の名前や番号が見やすい大きさで書いてあった。
「私のクラスは…と……
あ、あった!ふ~ん、3組かぁ」
……ボケタイプが少ないといいなぁ
あ、元気いっぱいのムードメーカーとか、
目の保養の美人さんやイケメンさんは
何人いてもかまいません!
むしろ必要なのでいてくださいお願いします!
などとひとり愚痴りながら3組の教室へと向かった。
これフラグじゃないかって?
はは……そ、そんなわけないだろっ……
うん……
新入生のために、どこへいけばいいのか矢印が廊下の壁に貼ってあったため、迷うことなく着いた。
今私は、新しい出会いが待ち受けているであろう扉の前に立っている。
ああ!この瞬間って緊張するっ!
前は小学校から中学校だったから、
顔見知りばっかでそこまで緊張とかしなかったけど、ここは誰も知り合いはいないから、余計にだ。
ドクン……
ドクン……
──そして意を決して扉に手をかけた──
「お、おはようございま~…す……」
そして私を待ち受けていたのは
たこ焼き味や納豆味などの、うま⭕棒を加えたクラスメイトたち───、
「ってなんでだよっ!」
なにこれっ!えぇマジなんなのっ!?
もしかしてうま⭕棒って流行りなの?!
トレンド商品なの?!
と一人その異様な景色にツッコんでいると
「おぉさっきのやつか!さっきぶりだなっ!
同じクラスになれて何よりだ!
あ~あとこれ、お近づきの印なっ!
本当だったら例え欲しいと言われても
誰にもあげねぇが、今回は特別無料配布だ!
持ってけ泥棒っ!」
それはさっきのうま⭕棒少年、
そして渡してきたのは案の定、
うま⭕棒のポタージュ味
「やっぱテメェかっ!」
お前を見た瞬間から何となくそうではないかと思ったのだっ!早速ボケ担当を一人クラスの中で発見しまった!
お近づきしたくねぇ!うま⭕棒いらねぇ!
またもや私の思考などお構い無しなフリーダム野郎は
「あ、そういやぁ名前聞いてなかったなっ!あんた名前は?」
と聞いてきた。
……ほんとは自己紹介とかコイツにしたくないっ!
でもやんないとダメ…だよね……はぁ
心の内で深いため息をつきながらも名前を名乗ってやる
そう、名乗ってやるのだ!ありがたく思え!
「橘 理緒奈…です……」
「理緒奈か!よろしくなっ!じゃ、俺まだ配んないといけねぇから!またなっ!」
そして新たなるターゲットを見つけ、うま⭕棒片手にそちらにいってしまった。
……なんなんだアイツは