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事件ファイルNo.001

それはお昼休みが終わり、

五時間目に差し掛かろうとしていて



「次は総合かぁ~

 今日なにするんだろうねぇ」


「そうですねぇ

 そういえばこの前はなんでしたっけ?

 凛ちゃん覚えてますか?」


「ん~っと確かねぇ…」



なんて友達の真由ちゃんと凛ちゃんの二人と

他愛もないやり取りをしていた時だった…




「う、うそだろ?!!!

 ない!!ない、ない、ない

 どこにも…なぁぁぁあああああい!!」




突然後方から叫び声が上がり、

一瞬体を硬直させたのち、

バッと後ろを振り返ると、

この世界に絶望したとでも言いそうなほど

顔を青くさせ、自分の頭をかきむしり、

苛立ちを(あらわ)にした海斗がそこにはいた。



「…あんたもうそろそろ授業始まんだけど」


「そんなことはどうでもいい!!!!」


「どうでもよくねぇよ!

 授業は学生の本分だろうが!」


「それより問題は俺の…

 俺のお昼のおやつ用に取っておいた

 うま○棒が一本消えたことだっ!!」


「そっちの方がどうでもいいわボォケェっ!!

 そして私の話を無視すんなやっ!

 あと一本消えたってよくわかんなっ!

 なにあんた、数えてんの?!

 てか一本ぐれぇなくなってもよくねっ?

 そんな量かわんねぇっての!!」


「何をいっているんだ貴様っ!!

 うま○棒一本だと(あなど)るんじゃないっ!!

 お前そのうちうまい棒に泣くぞ!!」


「なにうま○棒に泣くって?!

 バカかてめぇは!!」


「はぁ…なんてことだ…

 急になくなるなんてあり得ないし…

 誰かが盗んだのか?

 …うまい棒が旨すぎるせい…か

 罪なやつだ、うま○棒…」


「だから無視すんなぁぁぁぁぁあああああ!!

 あと途中から染々語り始めんなっ!

 しかもいってることがおかしいんだよっ!」


「こうなったらあの技を使うしかない…」


「だから聞けやっ!!」


またもや無視した海斗は、

いきなり目を閉じ深呼吸をし始めた

そして…


「犯人が分かった…」


「分かったんかいっ!」


「俺のうま○棒を食べた犯人は貴様だな…







 江村 佳代っ!

 お前のやったことは全部お見通しだっ!!」


「ここでTR●CKいれてくんなっ!

 しかも若干やりきった感出すなっ!」


「じゃあ名探偵コ○ンでやる!

 真実はいつもひとつっ!」


「そういう問題じゃねぇよ!!」 


「じゃあおんなじ名前だし怪盗キt「やめろぉぉぉぉぉおおおおおコ○ンからそっちに方向転換すんじゃねぇぇぇぇぇえええええ!!!!」


「え、ダメ?」(きゅるるん★)


「キもいっ!!」


「まぁいいや(真顔)」


「いいんかいっ!」


「だってこのまま放置してたら

 さらにあいつ興奮するから」


と言いながら私の後ろを指差す海斗


「は?あいつ…?」


私がそちらを振り向くとそこには…





「ぜぇ…

   はぁ…

       ぜぇ…

         はぁ…


 Oh…


 Oh、YESっ!!」


「ってマジで興奮してたっ!!」


最悪だっ!ツッコミに集中し過ぎて

ド江村ちゃんの存在を完全に放置していたっ!

なんたる失態っ!

キもいっ!なんたるキモさだっ!

しかも少量とはよべない程よだれが出てるしっ!

このままだと床に落ちそうなんですけど!

速く口元拭きやがれっ!!


ツッコむ私に対し、海斗はというと、

何やらテキパキと机と椅子を動かし始めた


…なに作ってんだ?




「さて…と…



 佳代、そこに座れ…」

「ん?わかった~」




バッ(←ライトが付く音)


「おい、どうしてこんなことをした…

 お袋さん、

 きっと今のお前を見て泣いているぞ?

 お前はそれでいいのか?良くないだろう?

 だからほら、正直に話してみろ…」


「う"ぅ…ぐすん

 …わかり"…まし…た…」


おいっ!

なんでここに尋問用の卓上ライトが

あるんだよっ!

あとなんでノリノリであんたもやってんのよっ!

さっきと返事の仕方がちげぇぞおいっ!

だが何故だっ!

なんかここで口を出してはいけない

雰囲気が出来ているんだけど?!

ってよく見たらクラスのみんなも

これからの展開が気になるっ!

とでもいうように拳を握り締めて

二人に注目しているし!


「私…あなたがどれ程

 愛してるのか知ってた…


 だから…

 私…


 私っ!!







 うま○棒を食べたら

 きっと私を怒鳴り付けてくれると考えて、

 さっき海斗くんが席を外してた時に

 これはチャンスだと思って

 自分の物が落ちたふりをして

 そこに屈みこみ、

 席の横に掛けてある鞄から拝借したの!

 ゲヘッゲヘヘヘヘ…ぐふふ」



最初(さいしょ)痴情(ちじょう)(もつ)れかなとか思ったら

後半本性丸だしなんですけど?!!!

チャンスってなにさ!

そんなのチャンスでも何でもねぇよ!

あと興奮をやめろっ!


「こんなやつのせいで俺のうま○棒が…」


わなわなと肩を震わせる海斗…

…確かにちょっと酷いとは思うんだが、

たかがうま○棒一本でこんな事件のように

取り扱うのもどうかと思うぞ?


「でもどうして私が犯人だとわかったの…?

 私、何も証拠を残してないと思うのだけど?」


確かにそうだね…

ド江村ちゃんかと疑うことは出来ても、

確信を持てる部分は何もなかったはずだ


「証拠を残してない?

 馬鹿か貴様、大きな証拠を

 ここに残しているじゃないか」


「え?!ほ、ほんと?!」


「ああ…


 お前の方から、

 香ばしいうま○棒独特の香りがする

 と俺の鼻がいってくるんだよ!

 これが証拠だっ!!」


「って証拠になるかぁぁぁぁぁあああああ!!

 香りがするっておめぇは犬かなんかかか

 このばかたれぇぇぇぇぇえええええ!!

 てんっちゅぅぅぅぅぅううううう!!」


「あだっ!」



ふっ…

これだけで済むということに感謝するんだな…



こうして事件は幕を閉じるのであった














「あの…やりきった顔してるところ悪いけど、

 もう授業始まってるんどけど」


「「「あっ!」」」


結局授業は半分ほど潰れましたとさ、おしまい☆

普通の友人の二人の名前が出ましたっ!

おめでとうっ!二人ともっ!

いつもぐだぐだですみません(汗)


次回は11/8 00:00の予定です。

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