人化。ついでにギルド編入
「らっしゃいらっしゃいっ!」
商店街だったころの感じが一部残っており、
それぞれの店に色んなキャラクター達が居る。
誰一人NPCは居らず、
全員遭難者らしい。
ただの遺跡だったここを力を合わせて修繕したらしく、ギルドはその時の遭難者たちが中心と成っていると聞いた。
それが唯一のプレイヤーだけの街、渋谷の中核を成している。
ミルクはあんな感じだが、その取りまとめをしているらしい。
・・・偉かったのか。
一番奥までは武器店と素材店そして薬局の三種類の店が乱立している。
奥には商店街の頃には確実に無かっただろう巨大な木造の建物が立っている。
木造にも関わらず学校並に大きいのは何故だ?
「あそこがギルドだよ!
私達の自作だけど、龍が攻めて来たって平気な位に丈夫に作ってあるから大丈夫だよ!」
ブンブンと身振り手振りで説明している。
曰く、かなりかたい木材があった上に大工の棟梁が仲間にいたため、こんな巨大建築をしても倒壊する恐れは無いらしい。
ギルドと呼ばれた建物へと入ると、
大量の魔物達が見える。
それぞれ思い思いの行動をしており、
大部分は人形である。
人形でない物はカウンターの列に並んで居るものと
爆睡している酔っ払いの二通りしかいない。
「どうしてこんなに人間型が?」
驚いていると隣にドヤ顔をしたミルクが居る。
放っておけば説明がくるな。
「ふふん!どう?ギルドメンバーになれば人型に慣れるのよ。
不便でしょ?その姿。」
確かに不便だし、サイズがカンストしているのでそのままこの状況は変わらないだろう。
良い話だ。
「入るには何をすれば?」
「簡単よ、前の世界と大体同じ法律に従うことを私達に誓うだけ、あとは
それで、もし良ければ頼み事を聞いてくればいいかな?位で、もし受けてくれれば報酬も弾むわ。
それはクエストって言っているんだけど、
どう?悪い話じゃないでしょ?
同意してくれるなら私がここで任命しちゃうけど。」
「どうするか?テンタクル
・・・って決断早すぎるだろ!?」
話している間に 既に同意していた。
「そちらの子は?」
「いい話ですし、お受けしますよ。」
断る理由は無い。
見たところ法律はきちんと働いているし、
大体は気楽に過ごせるだろう。
「なら、二人ともこれを首にかけてね。」
水野には黒い石のペンダント 、
自分には青色のペンダントが渡される。
色に得に意味は無いらしいので、
さっそく首に掛けてみる。
「おっ?」
背が伸びて行っている気がする。
・・・少しだけど。
1分程すると、完全に人形へ変わった。
金色のマントらしき物を被っており、
髪は腰まで伸びており白色。
そして、髪の中にはそれと同じ長さの金色の耳、
そして、肌はぷにぷにしていて、声を出すと、少し高い。
兎の少女だった。
・・・なんで女? アバターは男で作った筈なんだけど・・・。
隣では、黒いローブをきた魔法使い風の男が立っている。
ローブの端は蠢いており、人外ですよって主張しまくっている。
立っている位置から言って
水野だ。
謎な雰囲気の漂うイケメンに成りやがった。
リアルでは平凡な顔なくせに・・・
それと何故に俺だけキャラの性別変わったんだよ・・・。
ただただ呆然とするしかなかった。
ギルド法
1つ、生命倫理に反する事(殺しや拐い、奴隷など)をしたものはギルドの敵とみなし、討伐対象とする。
1つ、貨幣はガベルとみなし、金一グラムにつき1ガベルとする。
1つ、クエストを受ける際は、手間賃として2ガベル払い、達成した際に返却する。
達成出来なかった場合はその限りではない。
1つ、クエストを依頼する際は2ガベルを最低限とした依頼料を払い、それは手数料としてギルドが徴収する。
1つ、もし 他の国が征服戦争を仕掛けてきた場合、街にいる戦闘力を持つギルド員は参戦しなくてはいけないが、ギルドマスターに相談し、行かなくても良いとされたものは含まない。
1つ、ギルドマスターは一人を指名しておかなければいけない。
そしてギルドマスターの代役が必要な場合はギルドマスターによりあらかじめ指名された者が 代役を務める。
1つ、この決まりに更なる項目を加える、及び解釈や文を変える場合、ギルド員全員による多数決を行う。
不正を行うものがいた場合、
立案者やその関係者の場合討伐対象とみなす。
これをもってシブヤを統治する。
ヘーボン地区、シブヤギルド創設者一同。