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初のボス戦、もう虫は懲り懲り。

ボス戦突入です!


戦闘描写の練習をもっとせねば・・・

「どれくらい戦えるか?兎塚。」



 抜けた腰は元に戻ったし、友人と一緒なら草むらに隠れられる位の雑魚なら戦える。



「これ位の大きさのやつならたぶん行ける!」



 四足を地につけて頭を下げ、戦闘態勢をつくる。

 準備はできた。

 横をみると水野はぺったり薄くなり力をためて戦闘準備を終わらせていた。


「スキルは名前を叫べば発動するみたいだ。

とにかくブッパしとけ!」



大きく目の前の草が揺れて 赤い何かが飛び出てくる。


「ガーネットソードっ!」


攻撃スキルだろうスキルを使ってみる。


 ……すると、空中から出てきた紅い刀が一閃し、

赤い何かは二つに切られて動かなくなる。


 ――あれ?こんなにあっさり倒せるのか?


疑問に思ったものの

弱いことを気にしている暇も無いので爪でつまんで光板に投げ込みつつ次へ向かう。


「チュギィィイッ!」


 再び草むらが大きく揺れ、赤、青、紫、緑。

 色とりどりの五つの塊が飛びかかってくる。

 ――よく見たらこいつ、芋虫じゃん……。


「デリャッ!」


 一匹をオーバーヘッド風に後ろ足で蹴りつけて他の奴ごとたたき落とし、角で頭部を突き刺して止めを刺す。


 ――連発できるか分からないしなるべく大技は温存したい。


 次を探そうと頭をあげると、

角に突き刺さった虫から出てきた黄色く濁った体液が垂れてくる。



――こんなとこまで再現しなくてもいいのに……。


 芋虫から垂れてくる体液に顔をしかめていると、その液体から甘い匂いがしてくる。


――砂糖系の匂いがするので甘いのかも……?


 とろりとろりと流れて口元に流れてきたものを舐めてみる。



 ……グミの中によくある固まらなかった液体(アップル味)だった。

見た目グロイし食欲はそそら無い物ではあるけれど、味は美味しいようで救いはあるみたいだ。

 ……味より見た目からくる精神的苦痛の方が強いけど。



これで何故か敵が途切れた。

揺れていた草むらの範囲からして数はもっと居るはずだし、逃げていくのを見なかったのであいつ(相棒)の方に何か有ったのか。

少し心配になってあいつが戦っている筈の方向へ振り向いてみる。


 ……すると。



「テンタクルウィップ!テンタクルウィップ!

オラアァッ!」


 友人が虫を一騎当千の勢いで駆逐していた。

 テンタクルウィップは触手を勢い良く叩きつける技のようで、叫ぶ度に一塊の触手が叩きつけられて、芋虫が潰され粉砕されて赤やら黄色やらの飛沫があたりに飛び散る。


 見たところそれがずっと続いている。1回あたり二十匹くらいは軽く破砕しているようだ。けれど水野に襲いかかる芋虫の数は減っているように思えない。


 ――何処かからか湧いてるな、コレ。


 増える密度が全く変わらないあたり、近くに巣が有るとしか考えられない。草原からなんか不思議な力で産み出されてるとかであれば岩に移動した時に襲われていたはず。


 群がられているあいつには悪いけど虫どもはあいつに任せよう。

 ……殺し過ぎたせいでめっちゃ好かれてるみたいだし。


 芋虫にたかられている友人を放置し、さっきの岩まで駆け出す。

虫どもを蹴り飛ばしながら登りきって

頂上にある高台に乗る。


 ――俺の背丈もそれ程高くないので草原の数割も見えないだろうがあの補充の速度から言って補給源はかなり近くにいるはずだ。


 少し無理をして小さな足場の上で背伸びをして草原の全体を眺める。

 蟻塚みたいな砂山か不自然な盛り上がり辺りが虫系の湧き場所となるだろうからそれらを優先して探す。



「ん?」



 ちょうど友人のいる方向辺りを見た頃に、違和感を感じる。

ここは木の無い草原だった筈なのに一本だけ立派すぎる大木が1本生えていた。


 ――絶対あれだよな、原因(湧き場所)


 明らかに不自然なそれへと走り、

高台から飛び降り、全力で飛び蹴りを食らわせる。


「オラァッ!」


 飛び蹴りが気持ちいい位に綺麗に決まり、ギシギシと大きく大木がしなる。


――脆過ぎないか?


 大木にしては大き過ぎるしなりに疑問をもった瞬間、樹の穴の全てからこちらを睨む血走った目が現れる。


「キモッ!?」


 怯んだ俺を睨みながらバサバサと枝を振り回し、


「チュギィィィイッッ!」


そして、鳴き声と共に葉から後悔したくなるほどの虫の雨が降らせてくる。


 ――こいつモンスターだったのかよっ。



「気持ち悪いっ!来るなっ!

ガーネットソードッ!ガーネットソードッ!」


 樹を巻き込むように技を乱発し、虫を蹴散らすついでに木の根元を削り取っていく。

 一撃えぐるごとに大量の虫が降ってくるため、適度に減らさないと囲まれてハメられたりでもしたら危うい。

 というか、芋虫にたかられたら精神的に死ねる。


 虹色の飛沫(虫の破片)を振り払って視界をスッキリさせると、

根元が削られたせいでヤツはあっちへふらふらこっちへふらふら、と倒れる寸前みたいな動きになっていた。


 これなら止め、行けそうか?

貴様の敗因は樹に擬態しているのに森で戦わなかった事だ!


「止めのガーネットソードッ!」


「ゴギャアアアッ!」


傷だらけの根元に全力で宝石刀をぶち込み、断ち切る。

断末魔を上げて無視をまき散らしながら倒れ、

地響きと共に草が巻き上がる。

血走った目が消えてただのうろに戻ったのを見て、息を吐く。



勝った……か?


 そんなフラグを立てたのが行けなかったのか、大木はまたうろから血走った目を出してにらめつけてきたかと思うと……


「グギャアアッ。」


気合を入れるように一言吠えた後、何故か切断面から男の生足が2本生えてきた。

もう、こいつは次見つけても絶対放置しよう。

キモイ。



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽


 体感1時間後。


 走り回る樹を切り刻み、やっと倒す。


 切り倒す度に足が生えてきて、3回も切り倒さないと行けなかった上に、踏み込む度に雨みたいに芋虫が降ってくるSAN値直葬な景色を生産し続けてくれた大木は、縦割りにされてようやく息の根を止めたようだ。


 次に見つけたら燃やそう。

 絶対燃やそう。


 「兎塚~~っ。やっと終わったみたいだな。」


 途中から木の伐採に参加していた水野が残りの虫を倒してその残骸を集めて帰ってくる。

 遠目から見れば宝石の山だけれど、近くでみると幼虫型グミの山とかいうある意味地獄絵図だ。



 「……ドロップアイテムでも確認しようか。」


リンゴ×60

ワームウッドの木材×20

ワームウッドの心材×1

ジェリーワーム×1503


 あいつ、ワームウッドはここのボスだったらしく、沢山の物を落として行った。

 アイテムも稀少なものを落としたようだ。

 けれど、気持ち悪いのは懲り懲りだし、あいつがまた湧くまえにここから直ぐに出たい。


「水野、此処は絶対に狩場にしないからな。

経験値云々言われても絶対にここはやだからな?」


「えぇ……?

簡単なボス戦だし経験値稼ぎに……うん、分かった。諦めるからその目を止めてくれ。」


殺意を込めた目線が伝わったのか、レベ上げにここを使おうとしていた水野はすごすごと意見を引っ込めた。





リンゴはあんなグロテスクな奴から落ちた割に普通に美味しかった。



ワームウッド

種族 妖木類(ようぼくるい)

レベル5

ハラッパ草原ボス☆

葉っぱの中に大漁の虫を忍ばせており、

魔物化している果樹。

多くの個体が居る森があるらしいが所詮は木である。


力 2

防御 20

素早さ0(足が生えると40)

精神 0

魔防 20

運 50


スキル

ワームコール

常に発動。攻撃を受けるとダメージ×30×乱数の

ジェリーワームを葉から落とす。


ドロップアイテム


ワームウッドの心材

普通の木が魔物として行動するためのコアと成っている部位。

クソ硬い。

食えない。

食えたとしたら経験値は序盤としては多め


ワームウッドの木材

固くて軽く、使いやすいが魔物のこいつからしか取れないので需要は少ない。

食うの?これ。

食えたとしたらボス素材なので経験値はそこそこに多め


リンゴ

説明不要なりんご。

美味しい。

経験値はそこそこ。


ジェリーワーム


グミでできた芋虫。

ステータスを出す必要もない程の雑魚

同名のアイテムはこいつの死体で、

HP回復を出来るが見た目により需要は少ない。

量が取れるかわりに経験値はそれ程無い。




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