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黒金の双王

「どりゃっ!」

「えいしょ!」

「どりゃ!」

「えいしょっ!」



むわりと押し寄せたまとわりつく熱気に顔をしかめ、

目を開ける。


トンテンカンテンとリズムよく鉄を打つ土竜族達、

そして、その横で巨大な鞴を持ち前の長身を生かした滑らかな動きで踏み続ける猿人族、

たたらばではそんな光景が広がっていた。


たたら製鉄が出来るのなら、刀とかも簡単に作れるんだろう。

こちらみたいなドロップ品(落し物)を改良するしかないのとは大違いだ。



「ん?

兄ちゃん達、どしてここに来たんだ?

ここら辺で見たことない顔だし、

土竜でも猿人でもないだろ?」


いつの間に来たのか老年の猿人が後ろに立っていた。

全身の毛が白く脱色しており、鎧は手甲のみである。

その手に籠一杯の黒い石(石炭)を持って居て、何処かから採掘して来たのだろう。


「はい。

シブヤから来た者で代表とお話をしに来ました。

探索者の脱出の為に・・・と言えば分かると思いますが?」


「ほう?


ならば土竜族の族長も呼ばないといかんのう。

奴も興味の出る話じゃろうて。」


そう言うと猿人族の一人をよび、

小声で何か伝える。


まぁ、俺には聞こえるんだけども。


「アイツを呼んでこい。

久しぶりの客人だ、できる限りのおもてなしを頼む。」

「おもてなしとは?」

「・・・そこから教えないと駄目なのか。

おもてなしとはだな・・・。」


かなり長く説明していたので、

ミルク達が変な目で見てるけど、あれはおもてなし講座やってるだけなんだけどね。


傍目はヒゲ面親父二人がこそこそ話しているだけだから誰も信じないだろうけど。



そうこうしているうちにやっと思いが伝わったのか小猿が駆けていき、

暫くした後入れ替わりで

三mは有るのでは無いかと言うダルマが来た。


だるまに見えるだけのただの筋肉だるまだけど・・・。


「客ってこれか?」


ロックのベースに似た、低く力強い声がして、

服を引っ張られる。


・・・止めてくれ。体感2~3mの急上昇は本気で怖い。


「離せっ!離してくれっ!」

「元気が良いガキだな。

ほらよ。」


下ろして貰う。

心臓が早鐘を打ってて、

寿命が10年程縮んだ気がする。


「俺は牙王(キバオウ)、猿人族の長だ。

んで、そちらは爪王(ソウオウ)

よろしくね。」


牙王と名乗った猿人は、爪王の頭を押さえつけて下げさせつつ挨拶をした。

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