アキバハラ
~~~~~~~~~その頃の上空の都市~~~~~~~~~~~
機械にまみれて脚の踏み場所も無くなっている部屋の中、
一人の機械が モニターを覗いている。
モニターはトウキョータワーの監視カメラシステムに繋がっており、いつの間にか湧いていた邪魔者が討伐されている様が写っている。
その機械はアキバでもっとも大切な機械であり、
自我を持っている。
シブヤの代表とその連れ添いのようだが、
倒すとは思わなかった。
我々の討伐隊はあのブレスで壊滅されたというのに。
あの時はホントに怖かった。
転送装置を積んでいたお陰で何とか被害は出なかったけれど。
あの龍との戦いを思い出し、震える。
あちらは条件を飲んでくれたのだ。
こちらも何かしらの報酬を用意しないとな。
アキバハラ総統括代表は、
用意された機械の王座へ腰掛けた。
~~~~~~~~~~~タワー1階、~~~~~~~~~~~
樹木の侵食は食い止められており、
こまめに手入れがされているのが分かる。
鉄骨は一部朽ちていたが、
その部分も鋼鉄を張り合わして直してあった。
エレベーターがまだ生き残っているらしく、
エレベーターに乗る。
いくらこの建物でも、階段で登ってたら体力的な面で死ぬ。
第一天文台へ進み、鉄扉が開く。
そして、目の前には大地が広がっていた。
・・・え?
瑞々しい緑色の草木が生え、楽園、といった感じを醸し出している。
機械都市って聞いてたはず何だけどな・・・。
ミルクは歩いて行き、
木々には見向きもせずに右を向いて他の場所へ進んでいく。
すると、飛行機の搭乗口みたいな物が有った。
ちなみに木々の方は接岸しておらず、
そのまま突撃する馬鹿が下へ落ちるようにしてあり、水野が落ちそうになった。
・・・足元位きちんと見とけよ。
搭乗口らしき物から乗り込むと、
中には未来都市が有った。
自動販売機が四本の足で歩き、道行く人がそれから飲み物を買い、
自動車は無く歩道と動く歩道が広がり、
強制されている訳でもないのに機械と人が挨拶し合う。
そんな都市が広がっていた。
「シブヤの方々、遠路はるばるようこそ!
電子の町アキハバラ、そして空中都市アキバハラへ!」
体の一部が機械となった少女が話し掛けてきた。
「私は探索者で機神族のルークって言うの、よろしくね?」
頭にヘルメットの様な物を被り、
足と手が根本から全て機械に成った少女は、自分をそう名乗り、
ワンピースのスカートの端を掴み、お辞儀をした。




