VS紅の魔塔の守護者2
白糖龍の龍糖×60
拳大の塊を切り出し、それぞれ60個採取する。
龍糖は特殊な処理をしない限りは非食料で、
処理をすると極上の食料へ変わるようだ。
非食料の時はかなりの硬さを誇り、
使いやすさや耐久は鉄を優に超えるようだ。
グゴオオオオオオッ!
赤い柱を殆ど食ってしまってやっと龍はまた動き出した。
「さっさと沈めっ白糖龍っ。
ジュエルシールド! ガーネットソード!」
「テンタクルウイップ。」
突撃して切り込み、
腱等が集中するだろう関節を攻める。
水野は全体的に満遍なく攻撃をしていき、
相手の集中力を奪う。
「もう少しだよ、二人とも!
アックスライジング!」
尻尾を両断しながらミルクが叫ぶ。
全てに龍が対応しようとしているうちに倒さないとこの状態は、たぶん一人を狙われたら脆い。
「ミルクさん引いて下さい。打ちます!
ジュエルレイン!」
ギャァァァァアアアッッッッ!
断末魔に近い叫びを上げて飛ぼうとするが、
宝石の雨がそうはさせない。
このまま倒し切れれば良いんだけど・・・。
「システムコード。破壊の魔風」
雨で地面へ縫い止めているのが俺だとバレたようだ。
殺意が一点集中し、殺意の結晶が襲いかかってくる。
ありゃりゃ、倒すの急ぎすぎたか。
「水野、どいて。」
ドンッと音を立て、射線上から水野を出す。
あれは紙防御のこいつの耐えられる攻撃じゃない。
そして、ようやく届いた殺意の風は、
威力を存分に発揮し、
その範囲の中に存在する物を容赦なく切り刻んだ。
・・・何も例外無く。
「あぁぁぁぁぁっ!」
シールドは暫く耐えたものの削り切られ、
小柄な体へ風が襲いかかる。
ミキサーにかけられているみたく、
上下が分からなくなるほどの回転に振り回され、
まんべんなく切り傷が出来て血が飛ぶ。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ!
頭の中で、痛いと言う言葉がゲシュタルト崩壊を起こすほど流れる。
永久にも思える時間が終わり、
乱暴に地面へ返される。
同時に龍も倒れたみたいだけど、何も出来ない。
全身の切り傷が治っていく。
傷の治り方、本当に異常だね。
体力が尽きないで本当に良かった。
そう思っていると、ガーネットが目の前へ落ちてくる。
大量に、雨のように。
小粒な雫型の紅い石が、神殿に降り注いだ。




