ミナトク突入作戦
シブヤからトウキョータワーまでは距離は余り無いものの、
トウキョータワーのあるミナトクは完全に異界化しており、魔物の巣窟と成っているらしい。
というか、成っている。
今はその目の前にいるのだが、木々の葉がネオンの如く光を放っており、毒々しい。
地図にはミナト樹海迷宮と示されていて、一度入ったら出られる気がしない。
敵の方はレベルでいえば大体同じレベルなので戦えると言えば戦える。
ただ、巨大化したジェリーワームが大量にいるのは許せなかった。
周りの木々が折れるのも構わず、
ジュエルレインを唱え続けて殲滅した。
ドロップ品は回収したが、どうしてこんなに多いんだよ・・・虫系統。
カブトムシやバッタあたりは何とも思わないが、
ムカデ、芋虫、毛虫はどうも駄目っぽいのだ。
たはは、タワーがとっても遠いよ・・・。
~~~~~~~~~~1時間後~~~~~~~~~~~~~
今はシバコーエンという場所辺りに居るらしく、後少しで目的地らしいが、
芝は何処へ行ったやら、大理石の神殿みたいなのがジャングルの真ん中にも関わらず立っている。
赤や黄色の極彩色の中でも目立つ真っ白い外観だ。
パルテノン神殿に似た作りで、龍と葛が絡み合った模様が彫り込んである。
これ、嫌な予感しかしないんだけど・・・。
って、躊躇いもなく入るのやめて下さいっミルクさん!
心の叫びも届かず、先に水野とミルクは入ってしまった。
当然付いて行く以外に選択肢は無い。
「何も出ないと良いんだけどな・・・。」
藪をつついて出るのは蛇か獣か、
はたまた龍か。
大理石の回廊を抜け、奥へと進んでいくと、
闘技場のような物があり、後ろの扉が閉まる。
ガチャガチャッ ガチャガチャッ!
開かない・・・これはヤバイ気がするどころじゃない。
ギュオオオオオオン!
甲高い咆哮と共に前足に着いた翼をはためかせて白い影が目の前を横切る。
そして、轟音を立てて大理石の床を破砕しつつ、
影の主は現れた。
白い龍だ。
ブルドーザー位の大きさの体躯は、引き締まっており、瞳からは絶対の自身が伺える。
透明な皮膜の着いた翼を前足に持ち、
爪は容易く鉄だろうと切り裂けそうな光を放っている。
尻尾の先には鍵爪のような返しがついており、
尻尾で叩かれたら酷いことになるのが目に見える。
もう、腰抜かしてもいいよね・・・?




