クエスト開始!
依頼を受け、ギルドから出発の日時を聞き出る。
依頼者は数日後門の所に来るらしく、
光板のメールで連絡が来るらしい。
報酬も多めだし楽しみだ。
・・・それまでは狩りをして肉を食ったり、素材を売り、キャベツの丸煮 を食べる日々だったけど。
腹は減るし、何かを食わなければやってられないのだ、下手するとこれには餓死とかも有りそうだ。
そして待ちに待った当日、
東口に居るらしくそこまで行く。
すると、大工の親方みたいな黒いエプロンを来た筋骨隆々のいわゆる筋肉だるまみたいな奴がまさかりを担いで立っていた。
・・・護衛なんていらないんじゃないかな、こいつ。
「護衛のクエストを受注してくれたのは君らかい?」
「はい、けれど失礼ながら言わせて頂きますが、
護衛なんて要らないのでは?
明らかにわたし達より強そうなんですが・・・。」
正直に答える、水野は外の時からこういう人との会話は余り得意ではないので使い物に成らない。
自分より体格が大きく声もドスが掛かってるのに
人前に出るとあの、その。ごめんなさい。の繰り返しになってまともに話せないのだから仕方がない。
美形に成ったからといってもそれは関係なく後ろでうじうじしている。
・・・お前幼女の後ろに隠れるなよ。
「ハッハッハ、そうだね。
僕は君たちより恐らく強い。だけど一人で作業するのはさみしいだろ?」
結構いい人のようだ。
だけど見た目は4メートル超えそうな巨人なので怖いのだが。
「それじゃあ行こうか。
少し遅れたけど僕はラズウェルだ よろしく。
移動するときはリアカーに乗ってていいよ。周辺を見ててくれればいいだけだから。」
光板からリアカーを引っ張り出して言う。
アタリの楽な仕事に当たったのかもしれない。
リアカーに乗り込み、北の森林、“粉雪降るシュガータイガ”へ出発する。
~~~~~~~~~粉雪降るシュガータイガ~~~~~~~~
さっきの言葉を訂正する。
全然楽じゃ無かった。
シュガータイガにはあいつ、
ワームウッドが大量に生息していたのだ。
気持ち悪い虫の大群が波になって襲いかかってくる。
けちけちせずに範囲攻撃スキルを覚えておけば良かった。
そう思いつつガーネットソードで殲滅していく。
グラトニカでは、スキルは経験値を使って習得するのだが、
レベルが下がってしまう欠点があり、ステータスが下がってしまうのだ。
つまりはレベルを上げてパワーで押すか、
スキルを習得し、雑魚を一気に片付けてレベル上げをするか。
序盤は二通りに別れる訳だが。
流石に初期のスキルでこの数はキツイ。
相手は万の桁を絶対超えてるだろ。
としか思えない位の数だ。
気持ち悪い。
視界のほぼ全てがジェリーで埋まっているので気持ち悪いったらありゃしない。
ラズウェルさんが一撃でワームウッドを倒して行くので後ろに居る自分達にワームたちが大量に来る羽目に成っているのだ。
帰ったら絶対範囲攻撃覚えよう。
そう決めて、ワームを殲滅していくのだった。
・・・今回の教訓。
クエストを受けるときはその場所に生息する奴を調べてから受けよう。
そして、敵が大量に発生するポイントの為に、範囲攻撃は必須である。
初めてのクエストは自分たちにとっていい薬に成ったのだった。




