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第2回婚活イベント

 婚活イベントから1週間が経ち、朝のホームルーム。

 俺と波月の手錠期間が終わった。



「はあ……やっと普通の学校生活が送れる」

「ホントな。この1週間マジで辛かった」



 他の生徒も手錠が外れて解放感で清々しい顔になっていた。

 好きな相手なら幸せな時間だっただろうが、ほとんどはそういうわけじゃないからな。



「ええ、私もっとあなたといたかったなあ」



 白黄泉が残念そうに言った。

 中にはそう言う奴もいる。

 相手の男は困った顔をしていた。

 おそらく男にはすでに他に好きな女がいるのだろう。



 1週間いろんなアプローチを受けたんだろうな。

 無自覚でそういうことをする奴ほど怖いものはない。



「全員手錠は外したな。それじゃあ席につけ。3秒以内に座らないと、先生お前たちに何するかわからないぞ」



 大前先生から脅迫を受け、俺たちは顔面蒼白になりながら席についた。



「良い子だお前ら。でも良い子過ぎて先生手持ち無沙汰(ぶさた)になっちまったな。帝音、窓から飛び降りなさい」

「え?」



 どっちみち地獄じゃねえか。



「先生、ここ4階です。僕死んじゃいますよ」

「大丈夫だ。先生いつもやってるから」



 先生と俺らを同列に扱われても困るんだよ。



「4階から飛び降りるのはイヤか?」

「はい、イヤです」

「仕方ない。じゃあ今から新しい婚活イベントをやります」



 仕方なくやることじゃないだろそれ。



「これからみなさんには1週間前と同じように着替えてもらいます。予告した通り男子生徒は執事服、女子生徒はメイド服です。そしてまた男女1対1でペアを組んでもらいます。期間は1週間です」



 またかよ……。



「そして各生徒は1週間以内に奉仕ポイントを60ポイント以上集めてもらいます。服装や名前から察せると思いますが、奉仕ポイントは異性のペアを奉仕することで取得できるポイントです」



 奉仕……よくメイドがご主人様にやってたりするあれか。

 紅茶入れたり服着替えさせたり、あとは……あとで金持ちの帝音に聞いておくか。



「ちなみに採点は全てアイがおこないます。なので教師がいないところでもポイントは加算されるのでみなさん頑張ってください」



 アイか……不安だ。



『失礼なこと言わないでください。冷遇(れいぐう)しますよ』



 すいません。



「ちなみに奉仕ポイントは相手が奉仕されたと思うかが基準なので、どれだけ頑張ってもポイントが加算されないこともあります。ちなみに先生は地球を明け渡すぐらいのことをしないと奉仕された気がしないので、お前らは私が生徒じゃなくて運が良かったと感謝しなさい」



 もうあの先生地球侵略に来た宇宙人だろ。



 でもそうか、あくまで奉仕したかどうかはペアが決めるのか。



「あと、1週間以内に奉仕ポイントが60ポイントに届かなかった生徒はペアの生徒も含めて、今度の中間試験で英語の点数が10点引かれるペナルティを受けます」



 え?



「先生! つまりそれって、英語で100点取っても90点になるってことですか!」

「そうだ白黄泉。お前にしては頭を使ったな。その通りだ」

「えー! 困ります先生! 私英語が一番苦手なのに!」

「仕方ない、これもルールだ。あとお前は全教科苦手だろ、この前の日本史のテストマイナスだったの忘れたのか?」

「そんなあ……」



 白黄泉は涙目でうなだれた。

 一体何をすればテストで点数がマイナスになるんだ?



 あと、俺も今回のペナルティはかなりマズい。

 勉強はやればできる方なはずだが、100点を取れるような男ではない。

 この学校は赤点が40点未満、つまりペナルティ有りだと英語では50点以上を取るのが赤点回避の絶対条件になるということ。



 赤点の場合は大前先生の特別補習を受けることになる。

 死にたくないのでそれだけは避けたい。



「日ごろから勉学に努めてればまず問題ないペナルティでもあるはずだ。それに難しく考えすぎるな。あくまで奉仕すればいいだけなんだからな。奴隷(どれい)になったと思えばいい」



 酷い例え方だ。



「あ、そうか! 奴隷のように身を粉にして相手に尽くせばいいんですね!」



 それで納得する白黄泉は白黄泉でどうかしてるとしか思えない。



「じゃあ早速更衣室で着替えてこい。着替え終わったらペアを発表するぞ」



 またしても大変そうな婚活イベントが始まってしまったな。


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