表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いまじゃ 殺れ 信長を  作者: 水無月はたち
二の巻『謀叛』
14/19

第14話 何ゆえ、信長の首を取りたい?


「光秀が謀反を?」

 孫大夫が頷く。

「村重に加担してみせるものの、裏では信長を(けしか)け明智の娘を殺させる。これが小猿の真の目的かと」

 丹波が目を細める。

「そこまで深謀しておったのか、小猿は」


 有岡城に到着した小猿は早速村重に謁見している。

「そちが明智殿の申しておった忍びか?」

「なんなりとお申し付けくだされませ」

 小猿は膝をついて村重を見上げた。

「日の本一の忍びと申しておった」

 村重を翻意させられなかったため、光秀は代わりに優れた伊賀忍者を寄越すと約束した。

「畏れおおきお言葉」

「伊賀忍者は甲賀忍者と違い信ずるに足るとも」

「それは誠でござります」

「心の内は明かさぬが本望は変えぬと」

「仰せの通り」

「ならば聞くが、伊賀忍者の本望とは何か?」

 小猿は僅かに顔を上げ村重を見た。

「信長の首でござりまする」

「何ゆえ、信長の首を取りたい?」

「神仏怖れず、天下の安寧を乱しておるからでござりまする」

 比叡山焼き討ち、石山本願寺との抗争を言っているのだと村重は思った。

「そちは一向宗か?」

 村重は一向宗石山本願寺との対信長共闘を望んでいる。よって一向宗には理解がある。しかし返ってきたのは期待した言葉ではなかった。

「日の本は元来が天子様の国でござりまする。一向宗のものでも源平、足利、織田のものでもござらぬ」

 眉を潜める村重。

「そちは尊王か」

 小猿は小さく首を振る。

「ただの忍びでござりまする」

 村重は笑った。

「よいよい。目的は同じじゃ。信長の首を取ることには変わらぬ。共に天下安寧のため闘おうぞ、のう」

 畏って小猿は頭を垂れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ