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魔王の日常  作者: НАЯЦ
6/28

第6話 妖精の戦い #1

今度の話は長くなりそうです。

久々に気合い入れてます。


所で。

|(注:ここからは作者のいらない私事が語られます。どうでもいい方はサクッと飛ばしてください)


私なんぞの作品にポイントをつけてくださったり、お気に入り登録してくださったりしちゃった方。


私は大泣きです←実話


私には応援してくれる方がいる……こんなにも嬉しいことはない……!←



てなわけで、これからもよろしくお願いします。

「失礼致します」


2人のピクシーが魔王ライリの部屋から出てきた。


「なによ、あのピクシー!魔王様に気に入られたからって調子に乗ってるのよ!」

「どんなおべっか使ったのかしら、知りたいくらいね」


歩きながら2人のピクシーは小言をいい始める。話に出ているのは、チサトの事だった。魔王城では、絶えずチサトに関する噂や小言が絶えず流れていた。曰く、魔王に大金を貢いだ。曰く、魔王の弱味を握り、脅している。曰く、魔王に何らかの魔法をかけて昇格させた。こんな事実無根の噂が流されていた。チサトはもちろん、この事はライリも知っていた。だが、チサトは何を言っても聞き入れて貰えず、ライリはここで何か行動を起こせば、チサトへの攻撃が激しくなるだけだと分かっているため何も出来ずにいた。


「魔王様」


ライリの隣に、スッとドールが現れた。


「……ドールか」

「だいぶお気に悩んでいるようですね」

「……あぁ」

「このような事は、悩むほど苦しくなるものです」

「すまんな、トップに立つ者がこんな姿をさらしていては……」


こんな沈みきった表情をしたライリを、ドールは見たことがなかった。


「……打開策はあるには、あります。ですが……」

「……なんだ?」

「チサトには少々厳しいかと……」


そう言ってドールは案を伝える。


「……ふむ、それでいこう」

「えぇ!?チサトには厳しすぎます!」

「ふん、もう、策は出来上がった」


そう言って椅子から立ち上がると、奥の部屋に引っ込んでしまった。


「あの、ドールさん……」

「チサト」


チサトがライリの部屋に入ってきた。その手には濡れたタオルが握られていた。


「ライリ様は、どうなさるお積もりなのでしょうか……」

「私にもわからん。だが、きっと、何とかしてくださるはずだ。チサト、少々…いや、かなり厳しい試練かも知れないが、必ず、乗り越えてくれ」

「はい…」


† † †


次の日。

魔王城の掲示板に、こんな貼り紙がなされた。


『告知』最近、私の人選に不満を持つ者が増えているようである。そこで、皆が納得するよう、以下のように近衛人を入れ換えることとする。


魔王の近衛人に志願する者がそれぞれの力を競いあい、優勝した者を魔王の近衛人とする。

<<勝敗の決し方>>

・時間無制限、魔法使用可、武器使用可、一本勝負。

・相手を気絶させるか、参ったと言わせたら勝ち。


<<日時>>

丑の月、第15日

10時より開催


<<備考>>

この選考会に参加を希望する者は本日中に魔王の側近、ドールに参加希望の旨を伝えること。

また、参加希望者はその証である指輪を常に着けること。

さらに、参加希望者は魔王の間に入ることを一切禁ずる。緊急の場合は、魔王の間の扉の前に通信用の魔方陣を設置するので、それを利用すること。


† † †


ざわ……ざわ……


「おい、これを見ろよ」

「あと丁度30日後か…」

「私、参加してみようかなぁ」

「ふん、これであのピクシーも終わりね」


掲示板に大々的に貼られた掲示物を見て、辺りは騒然としていた。

一方、魔王の部屋では。


「……と、言うことだ。すまんな」

「そ、そんな……」


ライリはチサトに同じ内容を告げていた。


「ま、縁がなかったと思って諦めてくれ。もっとも、選考会で1位になれば話は別だが?」

「……少し、考えさせてください。失礼、致します……」

チサトはそう言ってライリの部屋から出た。


(私、これからどうしよう……)


チサトは途方に暮れていた。きっと、元の職場に戻っても皆から相手にされないだろう、そう思っていた。


ヒョイ、ヒョイ


「……ん?」


チサトは、なにやら宙に浮かぶ手らしき物を見つけた。


ヒョイヒョイヒョイ


「わ、私?」


ピシッとチサトを指差し、ゆらゆらと動き始める。


「あ!待って!」


チサトは追いかける。右へ曲がり、左へ曲がり。必死で追いかける内になにやら薄暗い廊下までたどり着いた。その奥にある扉の前で、先程の手がゆらゆらと手招きをする。

恐る恐る扉を開ける。

そこにいたのは……


「待ってたよ、チサト」

ドールとラムだった。


目の前にいるドールはチサトに声を掛ける。チサトを手招きしていた手はいつの間にか掻き消えていた。


「あの、これは……?」


チサトは困惑顔で問う。すると、今度はラムが口を開いた。


「ライリ様から、話は聞いたわよね?」

「はい……」

「どうするか、決めた?」


チサトは悩んでいた。自分を気に入ってくれたライリにいつまでも仕えていたい。だが、自分には勝ち抜くだけの力があるとも思えなかった。


「自分を気に入ってくれたライリ様にいつまでも仕えていたい。しかし、自分には勝ち抜くだけの力があるとも思えない」

自分の思っていることをドールに的確に言い当てられて驚くチサト。


「チサト、君はどうしたいんだ?」


拳を握ってうつむくチサト。頭には結論が浮かんでいた。だが、口に出すのは怖かった。


「私は……私は、ライリ様に支えていたいです……」


ふっと、熱い涙が溢れ落ちる。チサトはその事に気付かない。


「ただのピクシーでしかない私を気に入ってくださり、私のせいで悩まれ、このような結論を出してくださったライリ様に、いつまでも、そのお側で、お仕えしていたい……!!」


チサトの強い思いは、大粒の涙とともに溢れ出る。


「その言葉だけ聞ければ、それで十分だよ。チサト」

「これを……」


ラムがチサトに1つの箱を差し出す。それを受けとって開けてみると、ボトルシップの『船』の代わりに『家』が入ったフラスコのようなものが1つと、丸められた羊皮紙が2つ。1つは普通の赤い紐で結ばれ、もう1つは複雑な紋様の描かれたリボンで結ばれていた。


「赤い紐で結ばれているのが、ライリ様からの手紙だ。その中に、全てが書かれている」

「この手紙に……」

「私たちに出来ることはここまでよ。チサト……必ず、勝ちなさい」

「はい!ドールさん、私に、参加者の証を下さい。私は、魔王ライリ様の近衛人選考会にエントリーします」


チサトはドールから指輪を受けとると、部屋から飛び出した。

まだまだ続きます。

だいたい、三部構成になるとおもいます。


ポロリもあるあ……ねーよ|(謝)

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